薬剤師_品質管理
薬剤師の転職先として「品質管理職」というものがあるのをご存知でしょうか。あまり知名度の高い職業とは言えませんが、薬剤師としての知識やスキルを活かせる立派な職種です。

今回は品質管理職の概要から就き方、その適性に至るまで詳細にご説明していきたいと思います。

品質管理職とは?

品質管理職とは、一言に言ってしまえば医薬品の品質を維持する職業です。品質向上を目指す職はまた別にあり、その職業のことを「品質保証職」といいます。品質保証職が100ある効用を101にする職業であるならば、品質管理職は効用100を100のままに保つ職業と言えます。

品質管理職に従事する人は、原料や製造過程の中間製品、出来上がった製品などからサンプルを抜き取り、分析機器を用いて管理・試験します。また、一定期間保管した後の製品も決められた基準を満たしているかどうか再び管理・試験を行います。

GMP(製造品質管理基準)とは

医薬品の製造はGMPという法律に照らして厳格に行わればなりません。GMPの説明は以下の引用文をご覧ください。

GMP基準に掲げられている基本要件は、①製造段階でのヒューマンエラーを最小限に抑えること、②汚染および品質低下を防止すること、③より高度な品質を保証するシステムを設計すること、の3つです。

引用元

薬は人を健康にするための物ですが、一歩間違えれば人に害を与える物にもなりかねません。品質管理職を志す人はそれをまず肝に銘じる必要があります。

品質管理職に就くためにはどうすれば良いのか

それでは具体的に品質管理職に就くためにはどうすればよいのか。特別なことは何も必要ありません。その為に取っておくべき資格もありませんしね。転職サイトに登録し、求人募集を見つけ、応募する。基本的な流れは普通の転職と同じなんですね。

しかし、注意しておくべき点が2つほどありますのでそれをご説明致します。

薬剤師免許は必ずしも必要ではない

まず品質管理職に就くにあたって、薬剤師の免許は必須条件ではありません。ですので、転職する際にライバルとなるのは薬剤師ばかりじゃないということですね。これは間口が広いということも意味していますので、当然募集人数も多くなります。

しかし、だからといって薬剤師としての経験が全く役に立たないわけではありません。薬剤に全く触れたことのない人よりも、多少なりとも触れていたことのある方が有利になるのは当然の流れですよね。

比較的求人は少ない

求人はあまり多くありません。ゆえに倍率も高くなります。ですのでこまめな情報収集は必須となります。複数の転職サイトに登録するのはもちろん、キャリアコンサルタントにも相談するとなお良いでしょう。

経験者が優遇される傾向にありますが、そんなのは転職では当たり前のことです。薬剤師の経験はもちろん、他にもアピールできる部分があれば今のうちに探しておきましょう。

求められるのは即戦力

転職者に求められるのは即戦力となる能力です。品質管理職なんてやったことない、なんていう言い訳は通用しません。とはいえ、さすがに初日から1人で全部やってなんて言われたりはしません。が、転職して入ったからには最低限の知識は求められます。新卒とはスタートラインが違いますので、初めはきついかもしれませんが頑張りましょう。

品質管理職に向いている人

品質管理職には向き不向きがあります。というのも、業務内容が基本的に細かく、かつルーティンワークになりがちだからです。ここでは品質管理職に向いている人の一例をご紹介しましょう。

実験が好きな人

基本的に日々の業務は実験です。品質を管理するわけですからね。にらめっこするのは数字と薬剤ばかりという日常になるでしょう。薬剤師になった人は理系の科目をほぼ一通りやっていると思います。その中で実験はもちろん行ったと思いますが、どうですか、実験は好きでしたか。

嫌い、あるいは普通と考えた人は向いていないかもしれません。普通は簡単に嫌いに変わりますからね。好きと自然に答えられた人がこの職業に向いている人です。分析などの作業が多く含まれますからね。

緻密な作業に耐えられる人

細かいデータも取り扱います。少しでもデータに狂いが生じればそれは薬剤の品質が保たれていない証拠ですので、その狂いを見逃さないように一秒たりとも気を抜くことはできません。最悪、ほんの少しの狂いによって害を被る人が全国に出てしまうかもしれませんからね。それを考えれば大変重要な役割を担っているとも言えるでしょう。

正確かつ慎重な業務。求められるのはこれです。加えて責任感も必要でしょう。様々な資質が必要な職業ではありますがその分やりがいのある職でもありますので、志す人は少なくありません。

まとめ

なかなか表に出にくい職業だとは思いますが、品質管理職というのは日本の医療界に多大な貢献をしている存在です。品質の向上ももちろん大切ですが、だからといって今ある製品の品質を損なっては意味がありませんからね。

また、品質管理職を経験すると、品質保証職への道も開かれます。品質保証職から品質管理職へというパターンも、もちろんありますが。職場によってはお客様のクレーム対応などの窓口を兼ねる場合もありますが、品質試験業務などの貴重な経験を積むことも可能です。薬剤師としての可能性がまた一段階広がる職種だと思いますので、ぜひ志してみてください。