ここでは、薬剤師の不足を「都道府県」・「地域」・「離島」の観点から紹介していきます。
また、慢性的に薬剤師が不足する地域へ転職するメリットやデメリットも合わせて紹介していくので、「年収アップ」や「新しい環境」などを加味して転職を検討している方もぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
薬剤師の総数は約30万人
厚生労働省の統計データによると、平成28年度の薬剤師総数は「301,323人」です。
平成26年の薬剤師総数は288,151人でしたので、2年で約13,000人もの薬剤師が増えていることになります。
平成28年度・薬剤師の総数
引用元:厚生労働省
薬局の従事者は「172,142人」、医療施設の従事者は「58,044人」、合計して「230,186人」が薬局か医療施設に従事しており、この割合は今においても大きく変わりません。
また薬剤師が不足している都道府県や地域においても、薬剤師の主な働き先は変わらないため、薬局や医療施設における人手不足が大きな課題です。
離島における薬剤師不足については、そもそも「薬局や医療施設の数」もポイントであり、人口数に対して満足できるほどの数があるのかどうかも関連性が非常に深いです。
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薬剤師が不足している都道府県
こちらは平成26年度の薬剤数「288,151人」を都道府県別で表したデータです。これを見ると薬剤師不足に悩む都道府県がわかります。
都道府県 | 総数 | 薬局・医療施設の従事者 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|---|
全国 | 301,323 | 230,186 | 78,432 | 151,754 |
北海道 | 11,321 | 9,397 | 4,724 | 4,673 |
青森県 | 2,210 | 1,856 | 880 | 976 |
岩手県 | 2,303 | 1,904 | 825 | 1,079 |
宮城県 | 5,354 | 4,262 | 1,695 | 2,567 |
秋田県 | 2,009 | 1,728 | 722 | 1,066 |
山形県 | 2,035 | 1,667 | 784 | 883 |
福島県 | 3,582 | 2,497 | 1,352 | 1,595 |
茨城県 | 6,605 | 4,864 | 1,753 | 3,111 |
栃木県 | 3,934 | 3,110 | 1,244 | 1,866 |
群馬県 | 3,798 | 3,127 | 1,218 | 1,909 |
埼玉県 | 15,100 | 12,087 | 3,997 | 8,090 |
千葉県 | 13,556 | 10,987 | 3,290 | 7,697 |
東京都 | 48,813 | 29,743 | 7,834 | 21,909 |
神奈川県 | 22,104 | 18,040 | 4,834 | 13,206 |
新潟県 | 4,403 | 3,675 | 1,563 | 2,112 |
富山県 | 2,813 | 1,694 | 628 | 1,066 |
石川県 | 2,689 | 2,055 | 742 | 1,313 |
福井県 | 1,426 | 1,135 | 465 | 670 |
山梨県 | 1,707 | 1,404 | 550 | 854 |
長野県 | 4,393 | 3,655 | 1,436 | 2,219 |
岐阜県 | 3,868 | 3,155 | 1,438 | 1,717 |
静岡県 | 8,144 | 6,231 | 2,641 | 3,590 |
愛知県 | 14,684 | 11,857 | 4,770 | 7,087 |
三重県 | 3,402 | 2,869 | 1,181 | 1,688 |
滋賀県 | 3,100 | 2,409 | 813 | 1,596 |
京都府 | 6,263 | 4,496 | 1,349 | 3,147 |
大阪府 | 25,632 | 17,412 | 4,680 | 12,732 |
兵庫県 | 14,616 | 11,811 | 2,682 | 9,129 |
奈良県 | 2,791 | 2,221 | 573 | 1,648 |
和歌山県 | 2,288 | 1,735 | 557 | 1,178 |
鳥取県 | 1,134 | 960 | 360 | 5600 |
島根県 | 1,316 | 1,119 | 554 | 565 |
岡山県 | 4,121 | 3,367 | 1,174 | 2,193 |
広島県 | 7,021 | 5,786 | 1,798 | 3,988 |
山口県 | 3,372 | 2,798 | 1,060 | 1,738 |
徳島県 | 2,610 | 1,657 | 453 | 1,204 |
香川県 | 2,415 | 1,938 | 689 | 1,249 |
愛媛県 | 2,832 | 2,337 | 842 | 1,495 |
高知県 | 1,706 | 1,386 | 437 | 949 |
福岡県 | 11,794 | 9,987 | 3,546 | 6,441 |
佐賀県 | 1,907 | 1,589 | 702 | 887 |
長崎県 | 2,901 | 2,442 | 1,021 | 1,421 |
熊本県 | 3,724 | 3,042 | 1,165 | 1,877 |
大分県 | 2,221 | 1,912 | 759 | 1,153 |
宮崎県 | 2,037 | 1,670 | 718 | 952 |
鹿児島県 | 3,098 | 2,724 | 1,207 | 1,517 |
沖縄県 | 2,171 | 1,939 | 727 | 1,212 |
※グラフの右上にある検索窓から都道府県名で検索できます。また右下の「次」を押して別の都道府県も表示できます。
少し話がそれますが、基本的に薬剤師の男女比率は女性の方が多いわけですが、都道府県によっては男女比率が変わらないところもあるんですね。
たとえば島根県の薬剤数は「1,316人」、そのうち男性は「554人」、女性は「565人」となっており、男女比率は「5:5」と珍しい状況であることがわかります。
平成27年度の島根県の総人口は「694,352人」、そのうち男性は「333,112人」、女性は「361,240人」、年度の誤差を加味しても男女別の薬剤師の割合はそのまま総人口に比例しています。
また、この年度における全国総人口ランキングでは、島根県は47都道府県中で「46位・694,352人」、最下位は鳥取県の「47位・573,441人」。
ちなみに平成28年度における全国薬剤師数ランキングにおいても、島根県は「46位・1,316人」、最下位は鳥取県の「47位・1,134人」です。
総人口が少ない都道府県では、薬剤師の数も少ないことがわかります。
都道府県別の薬剤師数は、少なからず総人口が影響することは間違いなさそうです。ある意味当然ではありますが…。
平成28年度・薬剤師が少ない都道府県TOP5
- 鳥取県:1,134人
- 島根県:1,316人
- 福井県:1,426人
- 高知県:1,706人
- 山梨県:1,707人
薬剤師が不足している都道府県のTOP5は上記の通りです。
意外なことに、沖縄県は「2,171人」でワースト10位になっています。
男性の割合が多い都道府県はない
平成28年度のデータにおいては、薬剤師の男女比率で男性数が上回っている都道府県は1つもなく、もっとも近いのが島根県の「男性554人」・「女性565人」、北海道の「男性4,274人」・「女性4,673人」です。
薬剤師不足というのは「都道府県別の人口比率」や「各職場別の状況」など、どこにテーマを絞るのかによっても定義や答えが変わるため、一概に薬剤師数だけで人手不足になっているとは限りません。
しかし、薬剤師の総数が少ないということは薬剤師不足になっている職場が多い可能性が高いと推測できるので、この路線で考えると全国的に男性の薬剤師不足がそもそも問題だと表現できなくもありません。
薬剤師が不足している地域
引用元:厚生労働省
こちらのグラフは平成28年度において、薬局と医療施設に従事する薬剤師数を「人口10万あたりの薬剤師数」を都道府県別で表したものです。
人口10万に対する薬剤師数が多いのは「東京都」や「神奈川県」、「大阪府」や「兵庫県」といった主要都市になっています。
全国平均の「181.3人」というラインを見てみてください。ここを下回っている都道府県が意外と多いですよね。実は薬剤師が不足している地域の方が多いのです。
都道府県(従業地)別、人口10万人あたりの薬剤師数と不足都道府県
都道府県 | 平成22年(2010年) | 平成24年(2012年) | 平成26年(2014年) | 平成28年(2016年) |
---|---|---|---|---|
全国 | 154.3 | 161.3 | 170.0 | 181.3 |
北海道 | 150.1 | 154.9 | 163.6 | 175.6 |
青森県 | 120.9 | 126.4 | 133.8 | 143.5 |
岩手県 | 129.5 | 136.1 | 141.4 | 150.2 |
宮城県 | 154.5 | 161.5 | 168.5 | 182.9 |
秋田県 | 147.0 | 154.7 | 162.7 | 171.1 |
山形県 | 127.4 | 132.3 | 142.2 | 149.8 |
福島県 | 135.9 | 136.2 | 144.8 | 155.0 |
茨城県 | 144.7 | 151.9 | 159.7 | 167.4 |
栃木県 | 134.3 | 141.7 | 151.6 | 158.2 |
群馬県 | 129.5 | 138.4 | 146.6 | 159.0 |
埼玉県 | 138.7 | 144.8 | 153.3 | 165.8 |
千葉県 | 147.3 | 154.7 | 165.0 | 176.2 |
東京都 | 189.9 | 198.1 | 207.1 | 218.3 |
神奈川県 | 167.2 | 174.0 | 187.7 | 197.3 |
新潟県 | 136.6 | 142.9 | 151.1 | 160.8 |
富山県 | 141.3 | 147.0 | 154.1 | 159.7 |
石川県 | 153.1 | 161.9 | 169.3 | 178.5 |
福井県 | 117.1 | 128.4 | 140.5 | 145.1 |
山梨県 | 136.4 | 149.4 | 158.0 | 169.2 |
長野県 | 149.3 | 156.2 | 165.2 | 175.0 |
岐阜県 | 135.5 | 142.5 | 151.8 | 156.0 |
静岡県 | 143.7 | 150.2 | 158.8 | 169.0 |
愛知県 | 136.3 | 141.7 | 149.1 | 157.9 |
三重県 | 132.9 | 135.7 | 145.9 | 158.7 |
滋賀県 | 142.3 | 149.1 | 158.0 | 170.5 |
京都府 | 142.5 | 147.0 | 158.3 | 172.6 |
大阪府 | 168.4 | 173.0 | 178.7 | 197.1 |
兵庫県 | 178.5 | 188.1 | 198.2 | 214.0 |
奈良県 | 139.9 | 157.7 | 143.8 | 163.8 |
和歌山県 | 146.8 | 156.7 | 164.3 | 181.9 |
鳥取県 | 148.1 | 152.4 | 159.8 | 168.4 |
島根県 | 137.0 | 143.7 | 156.0 | 162.2 |
岡山県 | 148.7 | 154.6 | 166.2 | 175.8 |
広島県 | 177.8 | 184.1 | 193.8 | 203.9 |
山口県 | 172.2 | 179.5 | 187.0 | 200.7 |
徳島県 | 196.7 | 199.5 | 210.9 | 220.9 |
香川県 | 164.5 | 174.6 | 186.1 | 199.4 |
愛媛県 | 140.5 | 149.9 | 158.5 | 170.0 |
高知県 | 176.1 | 181.6 | 185.6 | 192.2 |
福岡県 | 167.0 | 177.1 | 182.8 | 195.7 |
佐賀県 | 170.4 | 174.5 | 178.4 | 191.9 |
長崎県 | 152.5 | 160.9 | 170.6 | 178.6 |
熊本県 | 142.0 | 150.2 | 163.9 | 171.5 |
大分県 | 143.6 | 151.6 | 158.4 | 164.8 |
宮崎県 | 133.6 | 142.2 | 148.5 | 152.4 |
鹿児島県 | 140.4 | 148.6 | 158.5 | 166.4 |
沖縄県 | 119.7 | 125.3 | 131.0 | 134.7 |
こちらは平成22年から平成28年までの2年周期において、人口10万人あたりの薬剤師数を都道府県別で表した詳細データです。
各年度における順位に大きな変動はありませんが、平成22年度からの推移を見ると人口10万人あたりの薬剤数が全国的に改善されていることがわかります。
また、人口10万人あたりの薬剤師数がワーストなのは「沖縄県」です。
平成22年度のワースト1位である福井県「117.1人」に次いで沖縄県は「119.7人」、平成24年度から28年度にかけては沖縄県がワースト1位となっています。
【見出し分割】詳細地域別のデータ
地域名 | 総数 | 薬局・医療施設の従事者 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|---|
東京都区部 | 38,477 | 21,332 | 5,595 | 15,737 |
札幌市 | 5,398 | 4,265 | 1,750 | 2,515 |
仙台市 | 3,348 | 2,457 | 808 | 1,649 |
さいたま市 | 3,606 | 2,424 | 588 | 1,837 |
千葉市 | 2,653 | 1,975 | 521 | 1,454 |
横浜市 | 9,565 | 7,824 | 1,923 | 5,901 |
川崎市 | 3,520 | 2,990 | 696 | 2,294 |
相模原市 | 1,636 | 1,424 | 436 | 989 |
新潟市 | 2,077 | 1,623 | 590 | 1,033 |
静岡市 | 1,761 | 1,350 | 535 | 815 |
浜松市 | 1,720 | 1,405 | 615 | 790 |
名古屋市 | 6,252 | 4,554 | 1,643 | 2,911 |
京都市 | 4,281 | 2,904 | 824 | 2,080 |
大阪市 | 11,043 | 6,080 | 1,768 | 4,312 |
堺市 | 1,743 | 1,487 | 446 | 1,041 |
神戸市 | 5,145 | 3,806 | 721 | 3,085 |
岡山市 | 2,116 | 1,583 | 525 | 1,058 |
広島市 | 3,254 | 2,589 | 745 | 1,844 |
北九州市 | 2,245 | 2,017 | 833 | 1,184 |
福岡市 | 4,540 | 3,468 | 942 | 2,526 |
熊本市 | 2,093 | 1,617 | 498 | 1,119 |
旭川市 | 867 | 732 | 399 | 333 |
函館市 | 680 | 580 | 300 | 280 |
青森市 | 673 | 497 | 208 | 289 |
盛岡市 | 862 | 683 | 239 | 444 |
秋田市 | 857 | 680 | 228 | 452 |
郡山市 | 829 | 589 | 241 | 348 |
いわき市 | 719 | 636 | 269 | 367 |
宇都宮市 | 1,213 | 897 | 307 | 590 |
前橋市 | 864 | 677 | 243 | 434 |
高崎市 | 845 | 593 | 193 | 400 |
川越市 | 965 | 700 | 224 | 476 |
越谷市 | 713 | 635 | 219 | 416 |
船橋市 | 1,562 | 1,191 | 283 | 908 |
柏市 | 977 | 815 | 212 | 613 |
八王子市 | 1,520 | 1,121 | 354 | 767 |
横須賀市 | 813 | 731 | 268 | 463 |
富山市 | 1,482 | 816 | 280 | 536 |
金沢市 | 1,497 | 1,031 | 323 | 708 |
長野市 | 867 | 714 | 249 | 465 |
岐阜市 | 1,331 | 982 | 406 | 576 |
豊橋市 | 692 | 600 | 257 | 343 |
豊田市 | 655 | 587 | 230 | 357 |
岡崎市 | 639 | 497 | 192 | 305 |
大津市 | 855 | 683 | 186 | 497 |
高槻市 | 1,244 | 854 | 155 | 699 |
東大阪市 | 865 | 719 | 228 | 491 |
豊中市 | 1,368 | 849 | 153 | 696 |
枚方市 | 990 | 825 | 207 | 618 |
姫路市 | 1,178 | 1,035 | 271 | 764 |
西宮市 | 1,365 | 1,076 | 166 | 910 |
尼崎市 | 1,320 | 1,038 | 235 | 803 |
奈良市 | 808 | 636 | 144 | 492 |
和歌山市 | 1,172 | 849 | 215 | 634 |
倉敷市 | 908 | 809 | 243 | 566 |
呉市 | 585 | 488 | 196 | 292 |
福山市 | 1,165 | 900 | 235 | 665 |
下関市 | 598 | 534 | 217 | 317 |
高松市 | 1,172 | 917 | 304 | 613 |
松山市 | 1,260 | 995 | 314 | 681 |
高知市 | 996 | 766 | 206 | 560 |
久留米士 | 868 | 755 | 258 | 497 |
長崎市 | 1,282 | 1,034 | 384 | 650 |
佐世保市 | 510 | 416 | 178 | 238 |
大分市 | 1,044 | 845 | 290 | 555 |
宮崎市 | 937 | 746 | 256 | 490 |
鹿児島市 | 1,550 | 1,286 | 441 | 845 |
那覇市 | 654 | 543 | 164 | 379 |
こちらは平成28年度の薬剤師数「38,477人」を、「指定都市」と「中核市」と「特別区」で表したデータです。
指定都市は政令で指定する人口50万以上の都市、中核市は政令で指定する人口30万以上の都市のこと。特別区とは、シンプルに表現すると東京23区のことです。
特別地方公共団体の一種で都の管轄において議会をもつ地方公共団体といったように、細かくいうと定義が複雑です。
要するに都道府県別の薬剤師数を「全国の人口が多い地域」と「東京23区」から表しており、各都道府県において人口の多い地域における薬剤師数がわかります。
平成26年度・薬剤師不足の地域TOP5
- 佐世保市:510人
- 呉市:585人
- 下関市:598人
- 岡崎市:639人
- 那覇市:654人
平成28年度のデータを元にすると、人口30万以上の地域における薬剤師不足TOP5は上記のようになりました。
全国の各地域を細分化して見ると、きっと薬剤師が一人もいない地域は少なからずあります。
また薬剤師不足は「医療システムが機能しているか?」を定義として見る必要もあります。
誰もが閲覧できる詳細データがないことからも、本当に人手不足になっている地域がわからないというのが一般目線における課題かもしれません。
薬剤師が飽和するという話はどこへ?
「薬剤師はそのうち飽和するから、仕事がなくなる」とはよく言われる言葉ですよね。しかし上でも紹介したように、都道府県別に薬剤師数を見てみると平均以下の地域の方が多いことがわかります。
ただ実際に都内だと薬剤師が充足してきているところもあるようです。この流れが今後どのように進むかはまだわかりませんが、現時点では薬剤師不足に困っている地域の方が圧倒的に多いです。
薬剤師が不足している離島
沖縄県では医師不足、医療施設の不足に悩まされております。10万人当たりの医師数は216.7人と全国で24番目です。(厚生労働省平成18年「医師・歯科医師・薬剤師調査」より)
とくに北部地域や離島地域の医師不足が深刻な問題です。沖縄県では本土で医療に従事する医師の皆様に、沖縄県の医師不足と医療の現状をご理解いただき、沖縄県で定住し、医師としてご活躍いただけますよう心より願っております。
引用元:沖縄県庁
薬剤師不足といえば離島が真っ先にイメージされる方が多いでしょう。実は沖縄県庁から上記のようなメッセージが公式サイトで公表されているのです。
日本は島国であり、沖縄県以外も離島をもつ都道府県があります。
離島における薬剤師不足というのは、こちらも一般目線では詳細データを確認できないため、薬剤師不足の現状を把握することが難しいというのが大きな課題です。
沖縄県庁のように誰もが薬剤師不足の状況を把握できる情報が増えれば、「離島で働こう!」と思う薬剤師の増加につながるかもしれませんね。
これはもう国や自治体レベルで離島の薬剤師不足のデータをまとめて発信してもらうしかなく、全国規模から本当に薬剤師不足が深刻化した場合に着手されそうなイメージが持たれます。
離島が抱える問題
引用元:首相官邸(離島部が抱える課題より)
国の政策としては、上記のように離島が抱える問題が提起されています。
画像の右下に「本土部287.5人」・「離島部155.0人」というデータがあるのがわかるでしょうか。。
高齢化社会を背景にさらに医療従事者の不足が深刻化するのはわかるものの、具体的に「どこの地域でどんな状況なのか?」をイメージできません。
薬剤師として離島で従事することを決意しても、選択肢はいくつほどあってどの離島へ行くのがベストなのかを把握することが非常に難しい現状があります。
遠隔診察による特定健康診査の導入
引用元:首相官邸(離島部が抱える課題より)
離島の人手不足に対して遠隔診察による解決策がなされています。
この状況から察すると、やはり各離島に医療施設を充実させて医療従事者を増やしていくというのは非現実的な方法なのかもしれません。
国や自治体の対策
国の対策は「特定健康診査の導入」など、「医師」・「看護師」・「薬剤師」というように医療全体の問題点として対策が進められています。
これは将来に向けて新たな医療システムを追求していくといったテーマとも関連性が深いです。
また、実際は各自治体レベルでも何かしらの対策を積極的に進める必要もあります。しかし最終的には「個々の薬剤師の判断」による部分も大きいです。
そのためなかなか国や自治体の対策によって、現状が大きく変わるというわけでもないことが難しいポイントでもあります。
薬剤師不足の地域へ行こうと思う薬剤師はいるのか?
薬剤師が不足している離島などで働きたいと思う薬剤師は少なからずいると思いますが、全体の総数の1割にも満たないかもしれません。
これには本当にさまざまな理由が挙げられますが、「薬剤師不足がどれほど深刻なのかわからない」や「生活や費用を考えると安易に動けない」などが代表的な理由でしょうか。
薬剤師不足の地域へ転職するメリット
- 物価が安く生活費を抑えやすい
- 希少価値から高待遇に期待できる
- 自分の存在意義が明確になる
- 都会にはないライフスタイル
- 新しい環境へのワクワク感
いくつかのメリットについて、さらに詳しく見てみましょう。
物価が安く生活費を抑えやすい
とくに家賃は都内と地方で差が出やすいところです。東京都だと1LDKでも10万円以上するような物件が当たり前ですが、地方だと3LDKの駐車場付きでも5~6万円で済む物件がいくつもあります。
もちろん東京でも安い物件はありますし、地方で高いものもありますが、やはり地方は家賃が総じて安い傾向です。
スーパーに行くと、東京と地方を比べてみるととくに生鮮食品で値段に開きがあるように感じます。田舎になるほど物価が安いことからも、年収アップと合わせて貯金をしやすいこともメリットです。
希少価値から高待遇に期待できる
薬剤師不足の地域へ転職するメリットは色々とありますが、求人情報からすると好待遇にありつけるというのが大きなメリットです。
たとえば宮古島の調剤薬局求人では、経験を問わずに年収500万円となっており、年収だけを見ても明らかに相場を超える待遇になっています。
他にも、五島市の病院求人では、契約社員として年収600万円~660万円となっており、こちらも破格な待遇です。
探せば年収700~800万円の求人も見つかりますよ。さらに引っ越し費用支給や社宅制度、家電費用などを負担してくれるケースもあるので、とにかく生活費の負担が少ないことが特徴です。
都会にはないライフスタイル
都内は交通網が整っているので電車での移動がメインになるかと思いますが、地方は車社会です。ぎゅうぎゅう詰めの満員電車になることなく、毎日職場へ迎えます。(ただし時間帯によっては道路も込みます)
離島になるとフェリーで島をわたったり、いつでも海に入れたり、冬でも暖かく過ごせたりとまるでリゾート地に来たかのような生活を送ることもできるでしょう。これまでと違った環境で過ごすのはワクワクしませんか?
3か月ほどの短期で働ける求人もあるので、経験のために一度チャレンジしてみるのも面白いと思いますよ。
求人比較は徹底しておくこと
多くの方は年収アップに期待して転職を検討すると思いますが、離島など薬剤師不足の地域へ転職するならしっかりと求人比較をしておきましょう。
求人情報に記載されている待遇が無条件で確定なのかどうか、ここは念を押して確認しておきたいところです。
薬剤師不足の地域へ転職するデメリット
- 仕事が忙しい
- 田舎生活を余儀なくされる
- 自分の代わりがいない
- 想像以上に環境が悪かった
- ライフスタイルが一変する
一方でデメリットについては、上記のような内容があります。
仕事に関しては人が足りていない環境なので、自分の代わりとなる薬剤師がおらず、基本的に毎日の仕事が忙しい職場が多いでしょう。
また人手不足の地域は田舎なので、田舎生活が不向きな方にとっては苦痛になります。
その延長には「友達に会えない」や「コンビニが遠い」などさまざまなデメリットも挙げられるため、しっかりと「ビジネスライフ」と「プライベートライフ」の双方からシミュレーションしておくことが大切です。
一定期間という考え方も有り
物価の安さや年収アップを重視すると、2年や3年と一定期間だけ人手不足の地域で働くというのも大いに有りだと考えられます。
人手不足の地域へ転職するメリットやデメリットは、何を軸に考えるのかによって答えはさまざまです。
また今後の薬剤師生活を考慮すると、離島などの特殊な環境下で働いた経験というのは本当に貴重です。それをどう活かしていくのかといった点まで考えてみると、総じてメリットを感じやすいかもしれません。
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薬キャリで地方の求人を検索してみたところ、以下の求人が見つかりました。
参考:薬キャリ 2019年11月時点
鹿児島県と沖縄県の中間くらいの位置にある、奄美大島の求人です。
※グーグルマップより引用
地方というよりは離島ですね。なんと年収700~800万円で、社宅制度ありの求人が出ていました。詳細を見てみると遠方の方は引っ越し手当も貰えるそうです。
島といえども空港もありますので、離島で一度は働いてみたいという方はどうでしょうか。
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参考:マイナビ薬剤師 2019年11月時点
マイナビ薬剤師で求人を探してみると、山口県で上のような求人が見つかりました。
30歳モデルで年収600万円は、なかなかよい方ではないでしょうか。ほとんど残業なしの調剤薬局とのことなので、残業代で稼ぎたい方には向きませんが定時で帰りたい薬剤師にはピッタリですね。
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