「せっかく転職したのに職場が何だか自分に合わない」
「転職先で実際に働き出してみたら、思っていたのと違った」
このようなミスマッチによって転職に失敗してしまう方は少なくありません。
転職を成功させるためにも、ミスマッチは避けたいですよね。ここでは転職でミスマッチが起こってしまう原因や、ミスマッチを避ける方法をご紹介しています。
転職を失敗させたくない方、後悔したくない方は必見です。
この記事の目次
なぜミスマッチが起こる?原因は雇用側と薬剤師の両方にある
「思っていたのと違った」というミスマッチはなぜ起こってしまうのでしょうか。ミスマッチが起こってしまうのは、実は雇用側にも薬剤師側にも原因があります。
雇用側の問題
- 求人に記載されている内容が違う
- 労働環境が整っていない
求人を出すとき、企業はついつい自分の会社をよく見せようとします。
「働きやすそうで給料が高い、ここならいいかも」と思って貰わなければ薬剤師が応募してくれないからです。
もちろん求人に嘘の情報を掲載するのはNGですが、あえて会社の悪い部分を求人に書くことはしないため、求人と実際の環境が違うという状況が起こりやすいです。
また「とりあえず薬剤師が欲しい」と思っている企業の求人はあたかも誰でも応募できそうな雰囲気を醸し出していることがあります。
誰でも働けそうだから応募したのに、実際に働いてみたら企業が欲している人材像と合わなかったなんてことが起こってしまうのです。
他に企業で決められている労働環境と実際の店舗での労働環境が噛み合っていないケースも多いですね。
企業は残業ゼロを目指しているけど、店舗では人手がたりずに残業せざるを得ない状況になってしまっていることもあります。
薬剤師側の問題
- 職場の情報をきちんと調べていない
- 転職の目的がはっきりしていない
企業は基本的に求人にはよいことしか書きません。そのため求人に書いてある情報だけしか見ずに転職してしまうと大抵は失敗してしまいます。
求人に掲載されている情報からさらに一歩深くまで情報を調べておかなければなりません。
求人に書いてある内容と実際の職場の状況が違うこともそう珍しくはないので、職場の情報をあらかじめ調べるのはもはや転職において必須だとも言えるでしょう。
企業の情報収集がたりない以外に、「なんとなく転職したい」と転職の理由がはっきりしないまま転職してしまうのもミスマッチの大きな原因です。
転職の目的がハッキリしていないため、自分に合う職場を探しにくいんですね。なんとなく転職したがためになんとなく職場が合わないという状況が起こってしまいます。
ミスマッチを経験した薬剤師の体験談
「思っていたのと違う」となってしまった薬剤師。いったいどういう場面で思っていたのと違うと思ってしまったのでしょうか。
転職でミスマッチを経験した薬剤師の体験談をご紹介します。
給料は希望以上に増えたけど…
ドラッグストアの調剤併設店で働いていたOさんは、あまりにサービス残業が多いので調剤薬局へ転職を考えるようになりました。
残業が少なく今より高い給料で働ける職場を探しており、無事に希望に合う求人を発見。
週休二日制で残業ほぼなしと記載されていた求人に応募し無事に内定を獲得したのでした。
しかし実際に働きはじめてみると「こんなはずじゃなかった」というポイントがいくつも出てきてしまったのです。
- 週休二日とは書いてあったけど、半休が2日あるため実際に丸一日休めるのは週に一度だけ
- 在宅や薬の配達を始めたため業務終了後に患者宅に行ったり配達に行かなければならない
求人に書いてある内容は嘘でないものの、また違った不満が待っていました。
学びたいことは学べたけど…
もっと現場で役立つ医薬品の知識をつけたいと思い始めたKさん。調剤薬局から地元の大きな病院へと転職しました。
求人に書いてあった「より患者さんに寄り添える」「最先端の医療現場で勉強できる」という言葉が転職先の決め手となりました。
しかし実際に働いてみると「こんなはずじゃなかった」と思うように。
- 調剤業務が忙しすぎて病棟を回れない
- たしかに薬局で学べないことをたくさん習得できるけど、勉強会が多すぎて体を休められない
このようなミスマッチを起こしてしまったのです。学びたいことを学べる環境ではありますが、他の面で理想と違う部分が出てしまいました。
ミスマッチを減らしたい薬剤師が注意するべきこと
転職は実際に働いてみなければ自分に合っているかどうかわからない人生をかけたガチャガチャだ、なんて言われることもあります。
運が関係しているのは否定できませんが、運任せにせず自分の力で転職を成功させることももちろん可能です。
そのためにはミスマッチを減らすための3つの心構えを持っておく必要があります。
自分が職場に何を一番求めているのかをハッキリさせる
なぜ転職したいのかをハッキリさせておかなければ、転職後のミスマッチがかなり起こりやすくなります。
なぜなら目的がハッキリしない転職は、転職後の満足感を得にくいからです。たとえば「年収を上げたい」「精神科の門前で勉強をしたい」と思っている方がいたとします。
この方が今より高い年収で精神科の門前に転職できたら「希望通りの職場で働ける」という満足感が得られますよね。
一方で漠然とした理由によって転職した方は、転職しても何かを達成できたという達成感がありません。転職して何かに満足するという体験ができないのです。
そのため転職する際は必ず転職先に何を求めているのかをハッキリさせておかなければなりません。
求めていることをハッキリさせ、さらに優先順位を明確化することでミスマッチを大きく防げます。
自分を過信しすぎない
今の職場で働くことにマンネリを覚えて転職する方もいるでしょう。そのような方にありがちなのが自分を過信しすぎることです。今の職場の仕事を何でもこなせるようになっているため、転職先でもきっとうまくいくだろうと思いこんでいる場合があります。
転職すれば扱っている薬はもちろん違いますし、転職先には転職先のルールがあります。自分に自信をもつのは良いことですが、傲慢にはならないように気をつけましょう。
求人内容だけで職場のイメージを作らない
求人にわざわざ会社の悪いところを書くようなことは誰もしません。それでは薬剤師が集まらないので当たり前ですよね。
「年収〇〇万円」「休日数○○日」といった思わず薬剤師が応募したくなるような条件を大々的にアピールしている求人が多いはず。
しかし求人だけで職場のイメージを作ってしまうのは禁物。求人は転職先を探している薬剤師のマインドを握るのが上手なんです。
「今の職場を早く辞めたいな」「もっといい環境で働きたいな」と考えている薬剤師の心をうまくキャッチして「うちなら楽しく働けるよ」と思わせるのが上手なんですね。
だから求人の内容だけを信じきって転職してしまうのは非常に危険。転職先を決めるには必ず事実の情報から判断する必要があります。
そもそも短時間の面接で職場のことを把握できない
求人や面接だけでは職場の情報のうち一部しか把握できません。
求人に書かれているのは一部の情報だけですし、面接は時間が短すぎて職場の環境を知るのには適していないのです。
面接官を担当する方はだいたい人当たりのいい方が担当になるケースが多いため、面接官がいい人だった=職場の環境がよいとも言い切れません。
そのため最初から面接だけで職場の状況を把握するのはムリだと心得えを持って挑む必要があります。
おすすめ薬剤師転職サイトおすすめの16社を徹底比較【最新ランキング】
ミスマッチを減らす薬剤師求人の選び方
転職は体力も削られ精神的な負担もかかるので、できれば失敗したくありません。
ミスマッチによる失敗を防ぐために、次にご紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。
お試し入社をする
意外と知られていないのですが、職場によっては入社前に「お試し入社」が可能です。
残念ながらすべての職場でできるものではないのですが、一日だけ体験入社ができないか相談すると受け入れてくれる職場もあります。
一日だけとは言え、実際に働くのでリアルな職場の状況を把握できます。
どれくらい患者さんと話ができるのか、定時で帰る薬剤師がどれくらいいるのかもわかりますね。
知人の紹介では転職しない
共通の知人から「うちの薬局で薬剤師を募集しているんだけど…」と話を持ちかけられることも多いでしょう。簡単に転職できるというメリットがある反面、職場のことをよく知らないまま転職してしまうデメリットもあります。
また紹介して転職したがために、職場が合わないと感じても辞めづらいのも特徴です。知人の紹介で転職した薬剤師が「失敗した」と嘆くパターンは意外と多いので注意しましょう。
実際に希望の転職先へ足を運ぶ
お試し入社はすべての方ができる方法ではありませんが、自分の足で職場の状況を見に行くことは誰でもできます。
自分が客として、患者として職場の空気に触れることで、求人ではわからない情報も入手できますよ。
転職サイトのコンサルタントにリアルな情報を教えてもらう
自分が職場に直接行くことなくリアルな情報を入手できる方法もあります。それがコンサルタントから情報を得る方法です。
「実際の残業時間」や「休日日数」「勉強会の頻度」などを転職サイトのコンサルタントに教えて貰うこともできますよ。
薬キャリでは以下の画像のように職場の口コミも見ることができます。
参考:薬キャリ
職場の本当の姿を知りたい方は、薬キャリの使用がオススメです。
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薬剤師が転職先でうまくやっていくコツ
せっかく自分に合う職場に転職できたとしても、そこでの行いが悪ければうまく馴染めません。転職先でうまくやるコツを見ていきましょう。
コミュニケーションスキルを磨く
なぜか薬剤師は、コミュニケーションが苦手な方が多いと言われています。そのため最低限のコミュニケーションを円滑に取れるだけでも「この薬剤師はデキる」と思ってもらえるでしょう。
さらに患者さんや同僚、上司などと分け隔てなくコミュニケーションが取れる技術があれば、仕事をスムーズに進められるため周りからの評価も良くなるはずです。
「使えない」と言われたくない!新人薬剤師のあるべき姿勢とコミュニケーション・ステップアップに必要なこと。ミスが多くて辛い時期をどう乗り越えるか?
意欲をアピールする
転職してすぐのころは、何かと業務内容で分からないことがあります。そのため少なからず周りに負担をかけてしまうこともあるでしょう。そこで「自分がやります!」と意欲をアピールしておけば、やる気があって頼りがいのある薬剤師と思ってもらえます。
意欲があることに対してマイナス評価がつくことはないので、とにかく何でも率先して行うようにしましょう。
まとめ
転職によるミスマッチは、企業と薬剤師のそれぞれに原因があります。
薬剤師が原因となって起こるミスマッチとして職場の情報収集がたりていない、転職理由がハッキリしていないなどの理由が代表的です。
ミスマッチを避けるにはいかにリアルな職場の情報を入手できるかがとても大事。
自分で職場に足を運んでみたり転職サイトを活用したりすることでミスマッチを防ぐことができますよ。