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薬剤師のための失業手当・失業保険(求職者給付)の条件や手続きまとめ

薬剤師のための失業手当・失業保険(求職者給付)の条件や手続きまとめ

会社を辞めたときに気になるのが失業手当。貰えるものは貰っておきたいですよね。条件を満たせばもちろん薬剤師でも給付を貰うことが可能です。

しかし人によって失業手当の給付が始まる期間も違いますし、貰える金額も違います。さらには貰えない可能性がある人も?!

ここでは失業保険の給付条件や申請方法を詳しく解説していますので、退職予定のある方やすでに退職している方はぜひ確認してくださいね。

失業手当・失業保険って何?

失業手当・失業保険とは
「失業手当とか失業保険ってよく聞くけど、一体どういうものなの?」と思いますよね。

仕事を辞められたらお金が貰えるとなんとなく知ってはいるものの、詳しい内容について知っている方は意外と少ないもの。

まずは失業手当が貰える条件や、給付金額の計算方法などを見ていきます。

雇用保険で給付される手当の1つ

俗にいう失業保険とは雇用保険のことを指しています。雇用保険は企業に雇われて働いている方が加入できる保険のことですね。ほとんどのサラリーマンが雇用保険に加入しています。

給料から天引きされている雇用保険は働いているときは影が薄いのですが、仕事を辞めた後には大活躍してくれる保険です。

雇用保険に入っていれば、仕事を辞めた後に一定の条件を満たすことで失業手当を貰うことができます。ちなみにこの失業手当は基本手当求職者手当とも呼ばれています。

雇用保険に入っていると給付を受けられるもの
    • 〈基本手当(失業手当)〉

失業したときに貰える手当

    • 〈就職促進給付〉

再就職の促進と支援を目的とした手当

    • 〈教育訓練給付〉

働く人の能力アップを目的としてキャリア形成を支援するための手当

    • 〈雇用継続給付〉

高齢者や育児などをしている人が継続した雇用を受けられるようにするための手当

給付金額と給付日数の計算方法

給付される失業手当の金額は、その人によって異なるのが特徴です。

離職する前の6か月間の給料を日割りにし、さらにその金額に45~80%をかけたものが失業手当の支給金額となります。

給付金額の計算方法
(離職する前の6か月間の給料÷180)×45~80%

また給付日数は、会社を辞めた理由や雇用保険に加入していた期間、年齢によって変わります。

ポイント!

失業手当の金額は、離職する直前の6か月間の給料で決まるため、辞める直前に稼いでいたほうが失業手当の額は多くなります。でkりうだけ手当として貰える金額を増やしたい方は、辞める前に残業や休日出勤をしておくと、いくらか手当を増やすことが可能です。

自己都合で会社を辞めた方・定年退職の方

年齢\雇用保険の加入期間 10年未満 10年以上20年未満 20年以上
全年齢 90日 120日  150日

自己都合や定年で退職した場合は、年齢に関係なく雇用保険に入っていた期間のみで給付日数が決まります。

90日~150日の間、失業手当を受け取ることが可能です。

会社都合で辞めた方

年齢\雇用保険の加入期間 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日  240日
35歳以上40歳未満 90日 150日  180日 240日 270日
40歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日  240日

倒産や解雇など会社都合で辞めた場合は、年齢と雇用保険に入っていた期間の両方で給付日数が決まります。

会社都合の場合は自己都合の場合よりも給付日数が長くなることが特徴で、最大330日間給付を受けることが可能です。

ポイント!

雇用保険の加入期間は合算することが可能です。A薬局で2年、B薬局で3年加入していた場合は5年間加入していた計算になります。ただし雇用保険を利用して一度失業手当を受け取ると、加入していた期間がリセットされるため、またゼロからのスタートとなるので注意が必要です。

派遣薬剤師が契約切れとなったら自己都合?会社都合?

ほとんどの方は自ら「辞めます」と申し出て会社を辞めることになるので、自己都合での退職となっているはずです。しかし派遣薬剤師の場合は話が少し違います。

派遣の契約切れで辞めることになった場合、実は自己都合ではなく会社都合にすることができるのです。

会社都合にすることで失業手当を7日後から貰えるようになりますので、ぜひ覚えておきましょう。

身体的・環境的な理由による退職も会社都合にできる

次の項目に該当する方は、身体的・環境的な理由によると判断できるため、会社都合にできます。

  • 体力が不足している
  • 聴覚や視力の不足により仕事ができない
  • 妊娠している
  • 育児のため仕事が難しい
  • 介護などにより親と同居する必要が出た
  • 通勤が不可能になった

残業が多すぎて退職した場合も会社都合になる

ほとんどの方が知らないことなのですが、あまりに残業が多くて辞めてしまった場合も、会社都合にできます。以下に当てはまる方は会社都合となるのでチェックしておきましょう。

  • 直前6か月のうちどれか1か月で残業が100時間を超えている
  • 直前6か月のうち連続する3か月で、それぞれ45時間を超える残業をしている
  • 直前6か月のうち連続する2か月の平均残業ジア家庭用脱毛器んが80時間を超えている

失業手当を受給するのに必要な条件

雇用保険に入っていたすべての人が失業手当を受け取れるわけではありません。受け取るためには雇用保険に入っていた期間が規定の日数を超える必要があります

    • 自己都合・定年退職の場合

雇用保険の加入期間が離職前の2年間に通算12か月以上あること

    • 会社都合の場合

雇用保険の加入期間が離職前の1年間に通算6か月以上あること

ポイント!

会社都合になるか分からない方は、ハローワークで聞いてみると確実です。

失業手当はどんな人のためにある制度?

失業手当は求職意思のある人に給付される手当
雇用保険の期間が規定の日数を超えていても失業手当が貰えないこともあります。どういった人が失業手当を貰えるのか確認していきましょう。

働く意思はあるけど休職している人

「働きたいけど働けない」という人に向けた給付が失業手当です。働く意思はあるけど転職先が決まらないという人が失業手当を受給できます。

副業をしていても手当は貰える

今の時代、副業をしている人も多いですよね。副業をしている人が仕事を辞めた場合、収入が完全にはゼロになりません。

しかし副業をしていても失業手当は貰うことが可能です。といっても副業をしていない人と同じ金額を貰えるわけではなく、副業の収入に応じて減額された金額が支給されます。

注意

ただし個人事業主として開業届を出している場合は、失業手当は貰えませんので注意しましょう。

転職先が決まっている場合は受け取れない

失業手当は働く意思のある人が転職先を見つけるために給付する手当です。そのためすでに転職先が決まっている場合は失業手当を受け取ることができません

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薬剤師が失業手当を貰うために必要な手続き方法

失業手当の申請方法
失業手当は申請しなければ貰えない手当です。会社を辞めたら自動的に口座に振り込まれるものではないので、給付を受けたい方は必ず手続きを行う必要があります。

ここでは失業手当を貰うために必要な手続きの方法を見ていきましょう。

離職票を貰う

離職票の正式名称は雇用保険被保険者離職票です。離職票はハローワークではなく会社から渡されます。会社を辞めた後に郵送されてくることがほとんどです。

まれに自分で会社まで離職票を取りに行く必要がある場合もあるので、あらかじめ会社に確認しておくようにしましょう。

ちなみに離職票には「雇用保険被保険者離職票(1)」「雇用保険被保険者離職票(2)」の2種類があります。

    • 雇用保険被保険者離職票(1)

退職した日付や失業手当の振込先などの情報が載っているもの

    • 雇用保険被保険者離職票(2)

働いていたときに会社から貰っていた過去半年分の給料や、離職理由などが載っているもの

どちらも勤めていた会社から発行され、失業手当の申請に必要な書類です。なくさないように気をつけましょう。

注意

「離職票は転職するときに必要になるのでは?」と思う方もいるでしょう。たしかに離職票の提出を求めてくる企業はありますが、提出は義務ではありません。もしも転職予定の企業から離職票の提出を求められたら、ハローワークに提出してあると伝えましょう。

ハローワークで給付の申し込みをする

離職票の準備ができたらハローワークで失業手当を申し込みます。失業手当は働く意思がある人に給付されるものなので、求職の申し込みも同時に必要です。

また失業手当の申し込みの際に以下のものが必要ですので、忘れずに準備しておきましょう。

給付申し込みに必要なもの
  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票
  • 印鑑
  • 本人確認ができる書類(運転免許証など)
  • 証明写真
  • 本人名義の銀行預金通帳

雇用保険被保険者証とは雇用保険に入っていたことを証明する書類です。こちらも離職票と同じく会社を辞めた後に郵送されてきます。

証明写真は3か月以内に撮影した縦3cm、横2.5cmのものが2枚必要です。失業手当の受給資格が決定すると「雇用保険受給資格者のしおり」が貰えます。

雇用保険受給者初回説明会に参加する

ハローワークでの申込みが終わったら、指定日時に雇用保険受給者初回説明会に参加します。説明会の参加にはハローワークで貰った「雇用保険受給資格者のしおり」と印鑑、筆記用具が必要です。

この説明会で「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。失業認定申告書は求職活動の状況を記載していくものです。

失業認定は4週間に1度受ける必要があり、そのたびに失業認定申告書を提出する必要があります。

説明会で必要な書類を貰ったあとはハローワークでの就職活動が可能です。

ポイント!

給付を受けるには、月に2回以上、求職活動をしていることが条件となります。

失業手当を貰えるのは最短でいつ?

会社都合で退職した場合は、ハローワークでの手続きが終わった7日後から支給されます。自己都合の場合はこの7日間にプラスして3か月経った後でようやく失業手当の受け取りが可能です。

つまり最短でも1週間以上はかかります。早めにハローワークで手続きをしないと、失業手当が貰えるまで時間がかかってしまうので注意しましょう。

まとめ

失業手当は薬剤師も貰える!申請を忘れずに
失業手当は雇用保険に入っている方が受けることのできる給付です。もちろん薬剤師も受給できます。

失業手当で貰える金額は雇用保険に入っている期間や年齢によって変わるのが特徴です。また転職先が決まると受給がストップするので注意。

会社に雇われて働いている薬剤師のほとんどは失業手当を貰えるので、貰い損ねないように手続きを進めましょう。