「薬剤師でも副業していいの?」
「管理薬剤師はダブルワークしてはダメって聞いたけど本当?」
働き方が多様化してきた現在、副業をしている方も珍しくなくなってきました。
薬剤師として働きながら副業を考えている方も多いでしょう。しかし、とくに管理薬剤師をやっている方は、副業をしていいのか迷っているのではないでしょうか。
ここでは、薬剤師でも副業していいのか、どのような副業があるのかをご紹介します。
薬局薬剤師
この記事の目次
薬剤師はダブルワークできるの?副業する前に覚えておきたい5つの注意点
今回は薬剤師のダブルワークはどのような職場があるのかを紹介します。
そもそも「薬剤師はダブルワーク(兼業)や在宅の副業は可能なのか?」と悩んでいる方も多いでしょう。
まず薬剤師は、「管理薬剤師」や「公務員」など、副業が禁止されている職種は基本的にダブルワークできません。それ以外については、職場の社員規定で副業が認められているならOKです。
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1.管理薬剤師はダブルワークできない
管理薬剤師は他の薬局で薬事に関する業務が禁止されているので、もし管理薬剤師でどうしても副業したい場合は薬剤師以外の仕事を選ぶ必要があります。
2.公務員は副業が禁止されている
公務員として薬剤師の仕事をする場合、こちらも法律で副業が禁止されているので注意をしましょう。
公務員の副業に関する記述がある法律は「国家公務員法・103条や104条」、「地方公務員法・第38条」などが該当します。
バレないように副業するという話も聞きますが、懲戒処分になってしまうと副業の意味がないので、ルールに沿うことが何よりも大切です。
3.在宅の副業もNG?
薬剤師は在宅の副業(自宅で出来る仕事)についても、公務員の場合は継続した利益が発生する「業」に関しては原則NGなようです。
管理薬剤師は薬事に関する業務以外なら可能なので、管理薬剤師をしながらも自宅で薬剤師ライターをするといった稼ぎ方は可能です。
4.就業規則を破れば懲戒解雇の恐れがある
2018年、厚生労働省から新しいモデル就業規則が発表されました。このモデル就業規則には、副業について以下のように記載されています。
労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
引用:モデル就業規則 第14章 副業・兼業
これは副業が国から正式に認められたということです。そのため2018年は副業元年とも呼ばれています。
副業が国から認められたため、たとえ会社の就業規則に副業禁止と書かれていても、場合によっては副業ができることもあります。なぜなら就業規則に法的な力がないからです。
法律上で会社に勤めるサラリーマンが副業をしてはいけないという決まりがないんですね。就業規則は会社が独自に作ったルールでしかありません。
そのためか「就業規則に法的拘束力はないから副業をしたいならしよう!」という流れが近頃では見られるようになってきました。
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5.確定申告を忘れずに!
- アルバイトやパートなど:年間20万円以下なら確定申告不要
- ネットで稼ぐなどの個人事業:「利益」-「経費」=「所得」が20万円以下なら確定申告不要
会社で働いていると源泉徴収がなされることから確定申告することがありませんが、ダブルワークでは「副業の収入が20万円以上」になると確定申告しなければなりません。
確定申告をしなければ金額がいくらであれ「脱税」となるので、事は重大であるという意識は強く持っておきたいところです。
はじめての確定申告はわからないことも多く腰が重いと思いますが、毎年の2月頃(確定申告の時期:2月15日~3月15日)までに税務署へ行って相談をすれば簡単に解決できます。
ネットなど自宅で稼ぐ場合は「所得?経費?」と疑問が色々と湧きますが、こちらも雑所得20万円以上になると確定申告が必要なので、所得の種類や計算方法がわからない場合は税務署で相談するのがオススメです。
freee・マネーフォワードなど会計や税務処理を助けてくれる簡単なアプリ・ツールも登場しているので使ってみるといいでしょう。
今後、薬剤師のダブルワークを継続していくのであれば、年間20万円以上の稼ぎになると毎年確定申告をしなければなりません。
そのため、最初にしっかりと確定申告のやり方をマスターしておく方が、不安を払拭して副業に専念できるようになるはずです。
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ロート製薬では副業が公に認められている!
最近では副業を後押しするような流れが主流になっているため、副業を解禁する企業も昔と比べたら多いです。その代表例がロート製薬でしょう。
参考:ロート製薬株式会社
ロート製薬は副業が認められている企業として有名ですね。「社外チャレンジワーク制度」が導入されたことにより、副業がOKとなりました。
ロート製薬で副業をするには
- 届出を出して容認されること
- 入社3年目以上であること
- 本業に支障をきたさないこと
入社して1~2年目は副業ができないものの、3年目以上であれば届出を出し容認されれば副業OKとなります。
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薬剤師の兼業や副業はどんな形態・職場が多いのか?
薬剤師の兼業や副業は、これといって特別な形態があるわけでもありません。
他職業と同じでアルバイトやパートを採用している職場が多くあるので、2つの職場を掛け持ちするダブルワークでは「Wワーク就業規則」に注目しながら仕事を探していくのがセオリーです。
ここでは薬剤師がしている副業をいくつかご紹介していきましょう。
調剤薬局やドラッグストア
薬剤師の資格を活かしたダブルワークでは、「調剤薬局」や「ドラッグストア」が定番です。
これらの職場では、ママさん薬剤師がアルバイトやパートとして活躍していることが多く、2つの職場を掛け持ちしていることも珍しくありません。
また薬剤師のダブルワークが珍しくない理由として、時給の高さがあります。求人広告でも「時給3,000円」や「時給4,000円」といった募集は良く見かけますね。
ドラッグストアだと営業時間が長い店舗も今は多いので、仕事が終わってから夜にドラッグストアで働くという方法も可能です。
薬剤師派遣も含めて考えると、「本業正社員+副業パート」や「本業契約社員+副業アルバイト」など、うまくダブルワークすると思った以上に収入が伸びます。
医師の方でもこういった働き方をしている方はいますね。
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病院
あまり多くはありませんが、病院薬剤師として副業で働く方法もあります。勤務時間帯が限られている上に求人数も少ないので現実的な方法ではないのですが、調剤薬局と病院を掛け持ちしている方も実際にいます。
病院の場合は土日に入るのではなく平日がメインです。そのためそもそも副業としてあまり向いていないのですが、どうしても病院薬剤師としての経験を積みたい方が副業として働くこともあります。
派遣薬剤師
派遣薬剤師は薬剤師の資格を活かした働き方ができる上に、シフトの調整もしやすく時給も高い副業です。
派遣薬剤師の求人は単発で募集されているものもあるので、うまく活用すれば「今月は1日だけ副業しよう!」といった働き方もできます。
派遣薬剤師の時給は2,500~3,500円程度のものが多く、ときには時給5,000円の求人もあるので副業でガッツリ稼ぎたい方にオススメです。
派遣先の多くは調剤薬局ですが、中にはドラッグストアのOTC販売のみというのもあるので、経験を積むのにも丁度いいですね。
クラウドソーシングを使った副業
クラウドソーシングとはネット上でお仕事を頼みたい人と受注したい人とをマッチングするサービスのことです。クラウドソーシングのサイトとしてはランサーズが有名でしょう。
ランサーズに登録するとライティングや翻訳、イラストといったさまざまな案件を受注できます。薬剤師が始めやすいものですとライティングがオススメです。
薬剤師の資格を持ったライターはあまり多くありませんので、うまく活用できればそれなりの金額を受注できます。
クラウドソーシングを使った副業は、パソコンやスマートフォンさえあれば場所を選ばずにできますし、好きな時間に作業できるので自由な働き方を実現できますよ。
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メルカリ
メルカリを使っている方は意外と多いのではないでしょうか。薬剤師かどうかは関係なく、誰でもお金を稼げる便利なツールです。
家にある不要な靴や服、バッグを売ったら2万円で売れた!なんてこともあるので、ちょっとしたお小遣い稼ぎにオススメ。上級者になると売れそうなものを中古ショップや海外から仕入れて売る方もいます。
仕入れに慣れている方は月に10万円以上の利益を出す方もいるので、侮れない副業です。まずは家にあるものから売ってみるのもいいかもしれませんね。
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薬剤師国家試験対策の家庭教師
薬剤師なら誰もが過去に受けている薬剤師国家試験。これから薬剤師になろうと勉強に励んでいる薬学生を対象とした家庭教師をする方法もあります。
薬学生を対象とした家庭教師のほとんどは、スカイプを用いて授業を行うものなので、わざわざ生徒の家まで向かう必要もありません。時給は5,000円程度が相場です。
ただし薬剤師なら誰でもできるものではなく、予備校などで講義の経験がある方に限られます。予備校講師として働いていた経験がある方は家庭教師を副業にするのもいいですね。
副業の選択肢は無限だが、薬剤師資格を活かすのがオススメ!
薬剤師を本業としながらも、極端かもしれませんが「副業はコンビニでバイト!」など、副業の選択肢はかなり多いです。
最近はネットで稼ぐというのが身近になりつつあるので、在宅の副業も加味すれば本当に選べる仕事がたくさんあります。
しかし「儲かるには?」を突き詰めていくと、やっぱり「調剤薬局を2つ掛け持ち」といったように薬剤師の資格を活かすのがオススメです。
YouTube
YouTubeで収益化をすれば、まとまったお金を手にすることも夢ではありません。
最近では薬剤師の知識を活かして、薬局での働き方や薬の知識を発信している方も増えてきました。薬剤師とは関係なく、自分の好きなジャンルで動画の投稿を続けている方もいます。
動画を撮る時間や編集なども考えると簡単に続けられるものではありませんが、うまくいけばどの副業よりも大きく稼ぐことができるでしょう。
薬剤師の副業を必要とする職場や仕事は?
- 調剤薬局
- ドラッグストア
- 病院
薬剤師の主な勤め先以外では、在宅の副業において薬剤師ライターもかなり需要が高く、さすがに専門資格なだけあってさまざまな仕事が見つかります。
「副業でも応募できる求人かどうか?」がもっとも気になるポイント!
実際にダブルワークできる副業先を探す時、「副業だけど応募してもいいの?」はわかりづらいことが多いですね。
薬剤師の求人情報は「兼業や副業がOK」や「兼業や副業がNG」など、ここを明確に記載していない求人もたくさんあります。
基本的にアルバイトやパート等の求人情報はダブルワークが可能となっているものが多いので、「管理薬剤師は薬事業務のダブルワークNG」を念頭に置きながら求人探しを進めていきましょう。
薬剤師が副業するメリット・デメリット
副業する理由は人それぞれでしょう。お金が増えるのはもちろんですが、他にもさまざまなメリットがあります。一方で副業にはデメリットもあるものです。
メリット
- 収入が増える
- いろいろな稼ぎ方を学べる
- 薬剤師としての知識が広がる
たとえば週に2日、時給2,000円で5時間ずつ働いたとしましょう。これだけで月収は8万円、年収にして96万円も増えます。
パートや派遣の副業をすれば、いつもの仕事とは別の環境で働くことも可能です。普段は触れることのない処方箋をさばけるので勉強にもなります。
パートや派遣以外にライターや翻訳業務をすると、働き方の多様性も身を持って体験できるでしょう。
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デメリット
- 体力的にきつい
- 稼ぎ方によっては確定申告が必要
- 副業OKの職場はまだ意外と少ない
休日を使って副業をすると、体を休められる日がなくなり体力的にしんどいことが増えます。時には睡眠時間を削る必要も出てくるでしょう。
所得が年間で20万円を超えると確定申告する必要があります。確定申告は初めてやる場合、わからないことがたくさん出てきてとても大変です。
そして何よりも、副業をOKとする企業がまだまだ少ないので、こっそりやった場合のリスクが大きいと考えられます。
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薬剤師の副業はファルマスタッフで探すのがオススメ!
薬剤師転職サイトで副業を探すならファルマスタッフがオススメです。
ファルスタッフでは便利なことに、「Wワーク可」という検索条件が用意されています。
参考:ファルマスタッフ
この条件で検索してみたところ、2021年5月時点で「12,895件」もの求人がヒットしました。
大手の転職サイトである薬キャリやマイナビ薬剤師には「Wワーク可」という条件で検索するチェック項目がありません。そのため副業できる職場探しはファルマスタッフの利用がとても便利です。
ファルマスタッフに登録してみよう!
月1回から働ける調剤薬局
参考:ファルマスタッフ 2021年5月時点
月に1回だけの勤務でもOKな調剤薬局の求人です。時給も最大2,400円と、なかなかよい待遇になっています。
さらに土曜日の17時以降は時給2,700円になるので、月に1回3時間だけ入ったとしても日給8,100円です。ダブルワークにはとてもよい条件ではないでしょうか。
転職エージェントに相談するのが早いかも?!
ファルマスタッフ以外にも「マイナビ薬剤師」や「薬キャリ」など、他の薬剤師転職サイトでもダブルワークOKの求人はたくさんあると思われます。
いわゆるパートタイマーという働き方の定義からして、非正規雇用で薬剤師の副業を制限している職場が多いと、薬剤師不足に拍車をかけることになりますね。
公開求人でなかなか希望のダブルワーク案件を見つけられない時は、転職エージェントに相談して探していく方が早いかもしれません。
転職エージェントは応募先の職場情報を網羅しているので、「ダブルワーク可能かどうか?」の答えが簡単にわかります。