転職活動のときに誰もが緊張するであろう面接。薬剤師の転職は売り手市場が続いているから、ガチガチに面接対応の練習をしなくてよいと思われている方もいるでしょう。
しかしいくら売り手市場でも面接の内容によって不採用になってしまうことがあるのです。
そこでここでは最低限答えられるようにしておきたい質問の内容、それから答えられると印象アップを狙える逆質問への答え方をご説明します。
薬局薬剤師
この記事の目次
薬剤師が面接を受けるときに最低限必要なマナー
どのような服装が良いの?ネイルは?髪色は?
面接を受ける前に絶対に確認しておきたいマナーをまずはご紹介します。
面接は基本スーツで行く
人の第一印象は見た目で55%決まります。次いで聴覚が38%、言語が7%です。これはあの有名なメラビアンの法則ですね。
つまり面接を受ける際は服装がとても大切だと言えます。私服よりもスーツの方がよい印象を与えられるのは言うまでもありません。パートの面接ならスーツである必要はありませんが、正社員の面接は必ずスーツで行きましょう。
スーツは色も大切です。間違いないのは黒色のスーツ。この他に紺やグレーもOKです。落ち着きのない派手な色のスーツは着用しません。中に着るシャツも白か細めのストライプ程度にしておきます。
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髪色やネイル、メイクは派手なものを避ける
男性で髪の毛を染めている方は地毛の色に戻しておきます。女性の場合は、明るすぎない髪色に調整しておきましょう。
一番いいのは面接を受ける企業の規則を調べて、それに合わせておくことです。企業によってどれくらいまで髪色を明るくしていいのかが異なるので、面接先の決まりに合わせておくと失敗しません。
なおネイルについては、しないのが無難です。とくに調剤を希望している場合はネイルは異物混入の原因ともなるため、しないことが一般的になっています。
メイクも派手なものは控え、最低限に抑えておきます。
だらだら喋らない
マナーとは少し違うかもしれませんが、話すときに気をつけたいことが1つあります。
それは話す順序についてです。面接では限られた時間の中でこちらの考えを理解してもらわなければなりません。そのため質問に答える際は必ず最初に結論を言うようにします。
たとえば「志望動機はなんですか?」と聞かれた場合、「より患者さんに近い位置で貢献したからです。なぜなら~」と続けるのはOK。しかし「○○ということを過去に経験しており、結果としてより患者さんに近い位置で貢献したいと考えるようになったからです。」と結論を後回しにしてしまうのはよくありません。
話し始めてから結論を言うまでの間が長いと、面接官に話が長いと思われてしまう他、この人の言っていることはイマイチ内容が伝わってこないと思われる可能性もあります。
結論は先に言ってしまうことを意識しましょう。
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売り手市場でも油断は禁物!薬剤師が面接で落とされる理由
ちょっと話すのが苦手でも、ちょっと面接の回答に詰まっても比較的内定の貰いやすい薬剤師。でも油断しては絶対にいけません。
薬剤師だって面接で落とされることはいたって普通に起こりうるのです。
①質問の内容に答えられない
回答までに少し時間がかかるくらいならまだよいですが、質問された内容に応えられず黙り込んでしまうと一気に落とされる可能性が高まります。
質問の内容によっては「面接の練習をしていない」「仕事に対する意欲がない」と見られてしまうことも。
②最低限のコミュニケーション能力が不足している
薬剤師はもともとコミュニケーション能力に欠けている方が多いと言われています。しかし企業が求めているのはコミュニケーション力がある薬剤師。
患者さんと毎日話さなければいけないので、最低限のコミュニケーション能力は必須なんですね。
面接官と目を合わせずに話したり、四六時中おどおどしていたりすると大きくマイナスです。
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③遅刻・履歴書の不備
面接に遅刻するなんてもってのほか。やむを得ない事情があったならなんとかなるケースもありますが、ただの寝坊や下調べ不足による遅刻は厳禁です。
面接に遅刻してしまうと「仕事にも遅刻しそう」「だらしない」などかなりマイナス印象を与えてしまいます。また履歴書に不備が多いのも落とされる原因の1つ。
あまりに空白が多い、誤字脱字が多く見られる、記載すべき箇所を空欄にしているなどが目立つと一気に印象が悪くなります。
④自分を過度にアピールしすぎる
面接で自己アピールをすることは大切ですが、あまりに「自分はこんなことができる!」「すごいんだよ!」ということを強調しすぎるのはかえって逆効果です。
人間は良いことばかりを聞かされると「本当なの?」と疑って見てしまう性質をもっています。そのためアピールのしすぎは面接官に「面接に受かりたくて嘘をついているのでは」と思われてしまう可能性がゼロではありません。
自分のことをアピールしつつも、ちょっとした失敗談やつまづいたことを織り交ぜ、それらをどう克服したかを伝えるとよいでしょう。
新卒の薬剤師が面接で絶対スムーズに答えたい質問
面接で聞かれる内容は、ある程度予測できるものもあります。聞かれる可能性の高いとわかっている質問は、あらかじめ答えられるように必ず準備しておかなければなりません。
ここでは新卒と転職の面接でそれぞれ聞かれやすい質問を見ていきます。まずは新卒での質問事項をご紹介していきましょう。
①志望動機
これは間違いなく聞かれます。「なぜ他の企業ではなくうちを選んだのか」を答えられるようにしておきましょう。
そのためにはあらかじめ応募先のホームページなどを見て、その企業ならではの特徴を押さえておく必要があります。
②就職して何をやりたいか
企業はもちろんやる気のある人材を求めています。そのため就職してからのビジョンは必ず考えておきましょう。
管理薬剤師になりたい、店長になりたい、本部で働きたいなどビジョンを明確にしておきます。応募企業に特殊なキャリアパスがある場合は、その名前を出すのもいいでね。
③将来どのような薬剤師になりたいか
薬剤師として働く以上、やはりどのような薬剤師を目指しているのかは考えておきたいものです。
「患者さんに寄り添える薬剤師になりたい」「医師と対等に話せる薬剤師になりたい」など、自分の理想像を持っておきましょう。
中途の薬剤師が転職の面接で絶対スムーズに答えたい質問
次に転職のときに面接で聞かれやすい質問事項を見ていきましょう。新卒のときと同じようなことを聞かれますが、転職だからこそ聞かれやすい質問もあります。
①志望動機
志望動機は必ず聞かれると言って間違いありません。新卒のときでの質問と同じく、なぜうちの会社を選んだのかということをしっかり答えられるようにしておきます。
「弊社の◯◯という理念に共感し、◯◯をしたいため」のように、企業の理念などと絡めて答えられるとよいでしょう。
新卒とは違い、職場での勤務経験があるためその視点を活かした踏み込んだ志望動機を答えられるとGOOD。
後述する転職理由にきれいにつながるように、一貫性があることがとても大切です。
②転職した理由
転職理由もかなり聞かれやすい質問です。前職をなぜ辞めたのか、なぜ転職しようと思ったのかは答えられるようにしておきましょう。
ここで1つ気をつけたいのはマイナスイメージを与えるような答え方はしないこと。
人間関係が原因が悪くて辞めたとしても「もっと周りの薬剤師と知識を共有しながら働きたい」などとプラスに言い換えて伝えます。
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③キャリアプラン
転職の場合は面接でキャリアプランも聞かれやすいですね。
応募している企業にどのようなキャリアプランがあるのかをあらかじめ調べておき、自分が将来どういったキャリアを積んでいきたいのかをイメージしておきましょう。
「最初の数年は調剤薬局で知識を学び、のちは調剤薬局の経営に関わりたい」など、キャリアを明確にしておきます。
「行動面接」突破が薬剤師の面接成功のカギ
「面接で聞かれたことはすべてプラスになるように答えよう」という考え方はもちろん面接官も知っています。
プラスの言葉に置き換えて答えるのは面接時の基本事項ですが、それでは面接官が本当に知りたい薬剤師の本音を知ることはできません。
そこで本音を知るために「行動面接」という、過去の事象と行動を掘り下げる手法を好んで取り入れる面接官も多くいます。
行動面接とは過去について掘り下げる
行動面接は一見するといたって普通の面接です。ただし聞かれる内容に特徴があります。行動面接では求職者の過去について聞かれるのです。
- 今まで経験したこと
- その経験で行ったこと
- 最終的にどのような結果になったのか
上記の3点を交えながら質問に答えていくことが重要となります。
実際の質問例
では行動面接で実際に聞かれる質問をいくつか見ていきましょう。
- 「これまで働いてきた職場で何か特別に取り組んだことはありますか?」
- 「仕事で行った取り組みの中で具体的に何を達成できましたか?」
- 「これまで体験したことで一番大変だったことを教えてください。」
- 「何を意識して仕事をしてきましたか?」
このように求職者が過去に行ったことを聞くことで求職者がこれまでどういったことを経験してきたのかを知ると同時に、どういう現場でどのような行動を取るのか判断するのです。
「逆質問」対策も忘れずに
「何か質問はありませんか?」と面接官から聞かれる逆質問の対策もしておかなければなりません。
ここで「ありません」と答えてしまっては、面接官にマイナスのイメージを与えてしまうからです。
逆質問で面接官がチェックしていること
面接官は逆質問をすることで、質問力や会社への関心さをチェックしています。聞かれたことに答えるスキルだけでなく、自ら質問をする力があるのかを見ているんですね。
また質問をするには会社についての興味や知識がないとできません。
スムーズに質問ができればコミュニケーション能力もあると判断できるため、面接の最後に逆質問を取り入れる面接官はとても多いです。
逆質問の例
いきなり「何か質問はありますか?」と聞かれてもなかなか答えられないづらいもの。そのような方のために、いくつか逆質問の例をご紹介します。
- 「前職では○○の経験を積んでいましたが、入社日までに勉強しておくとよいことはありますか?」
- 「薬剤師のスキルを上げるために何か研修はありますか?」
- 「○○さんがこれまで働いてきて感じたやりがいは何ですか?」
- 「御社が今後力を入れていきたいと考えていることは何ですか?」
- 「時代やニーズの変化に際して、実は御社(●●さん)が最も敏感に取り組まれていること、があるとしたら何ですか?」
実は筆者も面接で逆質問をされた経験があります。転職の面接ではなく、新卒でドラッグストアを受けたときに聞かれました。
「ドラッグストアで働いていて、お客様に感謝されたことはありますか?もしあれば、どのような場面でのできごとか詳しく知りたいです」と答えました。
実はこれ、そのとき咄嗟に答えた質問です。逆質問の対策をまったくしていなかったので、正直焦りました。面接に向けて、逆質問を1つはあらかじめ考えておくことをオススメします。
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残業やお金のことはできるだけエージェント経由で聞いておく
残業はどれくらいあるのか、自分くらいの年齢だとどれくらいの年収が期待できるのかなどは誰でも気になることだと思います。これらを逆質問で聞くのも1つの方法でしょう。
しかし質問の仕方によっては、面接官にマイナスのイメージを与えてしまう可能性も否定できません。
残業やお金など「ちょっとでも聞きづらいな」と思うものは、逆質問で聞くのではなく事前にエージェント経由で聞いてもらいましょう。
どうしても質問が思いつかないときは意思表明を伝える
事前にホームページの隅々までチェックしてたり、エージェント経由で知りたいことは聞きつくしていたりするケースもあるでしょう。そのようなときは質問ではなく意思表明をするのもありです。
「事前に御社について調べていたので特に質問はないのですが、採用いただけた場合には誠心誠意、業務にあたらせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。」
というような感じです。質問をするのが1番良いのですが、どうしてものときは意思表明を伝えてみましょう。
面接が不安な薬剤師は転職サイトを使おう
「転職サイトって求人を紹介してくれるところじゃないの?」と思うかもしれません。たしかに登録すれば求人を紹介してくれますが、それだけではありません。
面接の対策をしてくれたり、履歴書の添削をしてくれたり、中には面接に同行してくれるサイトもあります。
転職活動は一人でもくもくと行うので不安なことが多いですよね。しかし転職サイトに登録すれば、転職活動は転職エージェントとの二人三脚になります。わからないことは何でも相談できるので、登録しない理由がありません。
とくに面接に不安を持っている方ならマイナビ薬剤師がオススメです。
エージェントと直接会って自分の希望を伝えられるので希望条件にマッチした求人が見つかりやすい上に、面接同行サービスもあるのでエージェントと一緒に面接を受けることもできます。
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まとめ
就職先や転職先を探すとき、もっとも緊張するのが面接です。聞かれたことになかなか答えられなかったらどうしよう…と不安になってしまう方も多いでしょう。
しかし面接で聞かれやすい内容というのはだいたい決まっています。
よく聞かれる内容はしっかり対策しておきましょう。またこちらから面接官への質問を促される逆質問の対応も必要です。
面接は下準備がとにかく大切。聞かれやすい内容をおさらいして、自信を持って面接に挑めるようにしておくことが重要です。対策すればするほど、恐怖心などは薄れてくるはずですよ^^
薬局薬剤師
面接対策で必須の履歴書や職務経歴書の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。