2016年度の診療報酬改定から「かかりつけ薬剤師指導料」が新設され、話題をよびました。
2018年度の改定では点数の引き上げがおこなわれ、現在では薬局の運営において欠かせないものとなりつつあります。
かかりつけ薬剤師指導料の算定要件として、「研修認定薬剤師」を取得する必要がありますが、その方法はさまざまです。
この記事では、e-ラーニングの一つである「メディカルナレッジ」について、くわしく解説していきます。
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メディカルナレッジとは?
まずはメディカルナレッジとはどのようなサービスなのか、みていきましょう。
なお研修認定薬剤師を取得する方法については、別の記事で詳しく解説しています。
メディカルナレッジの特徴
メディカルナレッジは、公益財団法人 日本薬剤師研修センターが単位申請可能な研修会として認めている認定対象集合研修会のうち、インターネット研修のひとつです。
特定非営利活動法人である医療教育研究所がサービスを提供しており、日本薬剤師研修センターの研修実施機関として登録されています。
(「認定対象集合研修会」のうち「インターネット研修」として認められています。)
利用料金も比較的安く、認定薬剤師の申請に必要な40単位すべてを取得できることから、人気の高いサービスです。
メディカルナレッジの利用料金は?
メディカルナレッジの料金体系は、下記のとおりです。
メディカルナレッジでは4つのコースが用意されており、用途に合わせて選択することが可能です。
新規申請をおこなうためには40単位が必要となるため、これから認定薬剤師を取得したいと考える方は、40単位が取得できる120講座(18,000円+税)を選択するようにしましょう。
更新のためには、認定取得後3年毎に30単位(各年5単位以上)が必要となるため、1年あたり10単位が取得できる30講座(13,500円+税)の選択がオススメです。
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無料でお試し講座視聴も可能
参考:メディカルナレッジ
どのような講座を見れるのかが気になる方は、無料で閲覧可能なおためし講座をまずは見てみてると良いでしょう。
2020年5月時点では「アビガン(T-705)、新規抗インフルエンザ薬の開発」と「薬剤師の押さえておきたい認知症の基礎 3」の2つをお試しで見れます。
会員登録しなくてもその場ですぐに再生できるので、雰囲気をつかむためにも一度見てみてください。
シール発行の流れは?
メディカルナレッジの講座は、講義(約25分)とテスト(約5分)の合計30分で構成されています。
1講座あたり1単位ではなく、3講座を受講することで1単位分の受講シールが発行されます。
講座の組み合わせは自由なので、異なる領域の3講座を合わせて1単位とすることも可能です。
シール請求画面から請求をおこなうことにより、月末で締めた分のシールが翌月15日に発送されます。(1週間程度で到着)
メディカルナレッジの長所・短所
研修認定薬剤師を取得するためのコンテンツとして、さまざまな会社がe-ラーニングを提供しています。
メディカルナレッジの長所や短所には、どのようなものがあるのでしょうか。
メディカルナレッジの長所(メリット)
メディカルナレッジだけで40単位すべてを取得可能
メディカルナレッジが人気である理由の一つは、メディカルナレッジだけで研修認定薬剤師の取得が可能ということです。
他のプロバイダーが提供しているe-ラーニングでは、単位申請にあたり利用できる単位が制限されている場合もあります。
インターネット研修に加えて、講習会や学会に参加しなくてはならないということもあるので、手間と費用がかかってしまいます。
メディカルナレッジでは、40単位すべてを申請に使用できるので、効率的に認定薬剤師を取得できますね。
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コンテンツの視聴時にボタンを押す回数が少ない
多くのe-ラーニングでは、コンテンツの視聴時に「次へ進む」などのボタンを押さなくてはなりません。
流し見を防止するためのシステムですが、他のe-ラーニングでは30分の視聴の間に、10回以上ボタンを押さなくてはならないこともあります。
あまりに回数が多すぎる場合では、集中して講義を受講できないため、学習効率を損なってしまいますね。
メディカルナレッジでは、30分の視聴の間に1回しかボタンが表示されなかったため、非常に良心的な仕様といえるでしょう。
コンビニ支払いが利用可能
クレジットカード支払いにしか対応していないe-ラーニングも多い中で、メディカルナレッジではコンビニ支払いにも対応しています。
勤務先の薬局などで資格の取得費用を負担してもらえる場合においては、クレジットカードによる支払いが認められていないということもありますね。
コンビニ支払いを選択すれば、払い込み番号が発行されるので、こちらを利用して薬局に支払ってもらうということも可能です。
メディカルナレッジの短所(デメリット)
MPラーニングの方が価格は安い
コチラの記事でもご紹介していますが、メディカルナレッジと並んで人気のあるe-ラーニングに、MPラーニングがあります。
MPラーニングでは15,580円(税込)で40単位が取得できるため、価格面でメディカルナレッジは不利といえますね。
(メディカルナレッジでは40単位を取得できるコースは19,440円)
ただしメディカルナレッジにも前述の長所があるので、価格だけで一概に判断することは避けましょう。
スマホ版のブラウザがやや不安定
私はiPhoneを用いて講義を受講しましたが、途中で電話がかかってきたため、講義を一時停止して対応をおこないました。
電話を終え、講義の続きを視聴しようとしたところ、一時停止した時点ではなく、最初に戻されてしまいました。
早送りをして続きから再生をおこなえましたが、視聴時間のカウントによっては不正受講となるおそれがあるため、注意が必要です。
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コンテンツの作成日が古いものもある
魅力的なコンテンツの多いメディカルナレッジですが、コンテンツの中には作成日が古いものもあるので、注意が必要です。
たとえば、おススメコンテンツの「在宅医療の現状と地域連携」では、公開日が2015年10月と、3年以上前のものとなっています。
在宅医療は近年大きく変容しているので、3年前の「現状」と今の「現状」は、まったく違うものとなっているでしょう。
コンテンツの作成日をチェックすることも、忘れないようにしなくてはなりませんね。
【体験レビュー】実際にメディカルナレッジに登録・受講してみた
ここでは、実際にメディカルナレッジに登録して講義を受講した、筆者の体験レビューをご紹介します。
なおこちらはすべてスマートフォン(iPhoneXS)を使用して、登録・受講をおこなっています。
まずは購入してみよう!(購入の流れ)
確認メールに記載されているリンクにアクセスすることで、新規入会申込に進めます。
ここでは、薬剤師免許取得年度や薬剤師免許番号を入力しなくてはならないので、あらかじめ免許を手元に準備しておきましょう。
表示されている金額は税別のため、注意が必要です。
事前に支払うコンビニを選択して、払込票を用いて支払いおこないます。
払込票のバーコード以外にも、払い込み番号による振り込みにも対応しているようです。
受講はどんな感じ?(受講の流れ)
続いて、受講の流れをご紹介します。
メディカルナレッジはスマートフォンを利用して受講できるので、こちらも登録と同様にスマートフォンを使用しています。
メディカルナレッジでは、約900本の講座(約300単位分)が配信されています。
ここでは、おススメコンテンツの「薬剤師の法的責任」を受講します。
冒頭から1分間が経過したタイミングでアラートが出るので、OKを選択することで講座数が消費されます。
確認テストは5題が出題され、〇×の2択形式となっています。
難易度もそれほど高くないので、講義をしっかりと聞いていれば問題なく正解できるでしょう。
正答と解説を確認して、1講座の受講が完了となります。
なおテストはあくまでも動画の内容の確認であるため、点数は単位の取得に関係ないそうです。
受講を終えた感想は?
ここまで登録と受講をおこないましたが、とくに難しい点はなく、非常にスムーズに利用できました。
講義の内容は簡潔でわかりやすく、実践に役立つ内容であると感じました。
類似したサービスのMPラーニングと比べると、価格はやや高くなってしまいますが、メディカルナレッジの方が講座の数が多く(MPラーニングの1.5倍)、見ごたえがありそうですね。
何よりも、約25分の動画がシームレスで流れるため、講義に集中できる点がおススメのポイントです。
テストが〇×で5題しかないので、時間をかけずに回答できることも、忙しい薬剤師にとってはありがたいですね。
まとめ
メディカルナレッジの特徴や登録方法について、解説していきました。
かかりつけ薬剤師指導料の要件に研修認定薬剤師が求められるようになり、4年余りが経過しました。
e-ラーニングを利用して単位取得を目指す薬剤師も増えていますが、どのe-ラーニングを選べばよいのか、迷っている薬剤師も多いのではないでしょうか。
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MPラーニングを実際に使ってみた体験も以下の記事で紹介していますので、こちらもぜひ参考にご覧ください。