「薬剤師の年収は都道府県によって違うって本当?」
「地方のほうが年収は高いって聞いたけど、どれくらい違うの?」
転職の際に薬剤師の給与や年収は気になるポイントですね。
ここでは、2019年度の薬剤師の年収や給与を都道府県別からランキングとして紹介しています。都道府県ごとにどれくらい年収が違うのかをぜひ参考にしてみてください。
薬局薬剤師
【都道府県別】薬剤師年収ランキング
2019年の都道府県ごとの平均年収は、次のようになりました。
表は数字が大きい順や小さい順で好きに並べ替えができます。
- 年齢:平均値
- 勤続年数:平均値
- 決まって支給する現金給与額:残業代等を含む月給の平均値(税金や年金などを差し引かない)
- 所定内給与額:残業代等を含まない月給の平均値(税金や年金などを差し引かない)
- 年間賞与その他の特別給与額:年間の特別給与の平均値
- 年収:所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他の特別給与額
このページのランキングはすべて「令和元年度・賃金構造基本統計調査」と「e-Stat」で構成しています。
厚生労働省は毎年6月頃に統計データの調査を開始し、そのデータが翌年の2月頃にe-Statに集計されて公開されます。
そのためこのランキングは、各年度における6月頃の薬剤師年収の平均値となるので、目安として参考にしてくださいね。
薬剤師の平均年収500万円は正しい
一般的に薬剤師の年収は「500万円が平均」と言われることが多いですが、これは厚生労働省のデータからもおおよそ正しいです。
2019年の薬剤師の年収平均は、全国で「5,246,900円」でした。
この「5,246,900円」という数字は、「所定内給与額」×「12ヶ月」+「年間賞与その他の特別給与額」で計算しているものです。所定内給与額は残業代などのプラスαとなる給与を考慮しない金額なので、給与明細でいうと「月給」や「基本給」などに該当します。
ちなみに残業代などを含めた年収は全国平均で「5,616,500円」でした。
性別や職場別で年収を比較したい方は以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
データで見る、薬剤師の性別・職場別での年収の違い。正社員でも一般薬剤師と管理薬剤師では差がこんなに…?勝ち組薬剤師になるため年収を上げる方法とは…?
2019年度・薬剤師の年収が高い都道府県TOP5
- 静岡県:6,305,200円
- 長野県:6,149,900円
- 愛知県:6,025,800円
- 秋田県:5,982,700円
- 高知県:5,934,500円
2019年度における都道府県別の薬剤師年収では、静岡県の「6,305,200円」がトップです。
あとに紹介する薬剤師の年収推移を見ても、前年度の静岡県の薬剤師年収は「2018年・5,286,500円」と平均的です。突発的に年収が上がっているケースがありますので、あまり都道府県別の地方データは参考にならなかったりします。
ちなみに東京都は18位で「5,245,400円」です。2019年の全国平均年収は「5,246,900円」なので、ほぼ平均と同じ年収になっています。
薬局薬剤師
2019年度・薬剤師の年収が低い都道府県worst5
- 新潟県:3,577,700円
- 長崎県:4,040,900円
- 愛媛県:4,109,200円
- 鹿児島県:4,146,700円
- 千葉県:4,189,700円
2019年度における都道府県別の薬剤師年収では、新潟県の「3,577,700円」がワーストです。
シンプルに各都道府県の薬剤師数が関係していそうなイメージが持たれますが、2014年度の都道府県別の「薬剤数」と「年収」を比較しても関連性は見られませんでした。
以下の記事でで2014年度(平成26年)の都道府県別の薬剤数を確認できるので、気になる方は以下で紹介する薬剤師の年収推移と合わせて活用してみてくださいね。
【2010年~2018年】薬剤師の年収推移
- 年収:各年度の「所定内給与額」×「12ヶ月」+「年間賞与・その他の特別給与額」で算出
- 全国平均が高い年度:2019年度の5,246,900円
- 全国平均がもっとも低い年度:2011年度の3,884,400円
厚生労働省のデータでは2010年から2019年までの薬剤師の年収推移がわかります。
全国平均は「3,884,400円」~「5,246,900円」の範囲となっており、過去8年間で薬剤師の平均年収がもっとも高いのは「2019年度・5,246,900円」です。
ちなみに「2019年の薬剤師年収」に関するデータは、冒頭で紹介したように6月頃に調査が開始され、公表は翌年度の初旬になるかと思われます。
2010年以降の失業率は低下基調
引用元:総務省統計局
薬剤師の年収推移と上記の失業率を合わせてみると、薬剤師も雇用改善の影響が少なからずあるかもしれませんね。
しかし基本的に医療従事者は、どのような社会情勢であろうと一定数が必要となることから、一般職のように失業や年収低下といった影響を受けにくいとされています。
2010年の失業率は5.1%と高い水準ですが、同年度の薬剤師の平均年収は「2010年・4,116,000円」と大きな影響を受けていません。
【企業規模別】薬剤師の年収
企業規模 | 年齢(歳) | 勤続年数(年) | きまって支給する現金給与額 | 所定内給与額 | 年間賞与・その他特別給与額 | 年収(所定内給与額×12ヶ月) |
---|---|---|---|---|---|---|
10人以上の企業 | 39.4 | 7.9 | 398,600円 | 367,800円 | 833,300円 | 5,246,900円 |
10~99人の企業 | 43.9 | 9.9 | 440,400円 | 416,300円 | 895,000円 | 5,890,600円 |
100~999人の企業 | 40.8 | 7.5 | 396,900円 | 371,900円 | 722,500円 | 5,185,300円 |
1,000人以上の企業 | 35.5 | 6.8 | 372,800円 | 331,000円 | 882,300円 | 4,854,300円 |
上記は、企業規模による薬剤師の年収です。
こちらも2019年度のデータですが、企業規模によって薬剤師の給与に大きな差があることが分かります。
上の表を見ると、年収は10~99人規模の企業でもっとも高く「5,890,600円」です。一方で1,000人以上の企業はもっとも低い「4,854,300円」となっています。
薬局薬剤師
勤務先別ではどこへ転職するのが有利?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、薬剤師の勤務先(病院・調剤薬局・ドラッグストア・企業)別による年収データがありません。
基本的に薬剤師の受け皿は圧倒的に「調剤薬局」であり、次に「病院等の医療施設」や「ドラッグストア」となるため、一般的な勤務先へ転職するほど平均年収に近い収入を得られるという捉え方でいいかと思われます。
また、上記の企業規模別による薬剤師の平均年収を見ても、平均としては企業規模による大きな差がないため、結局は転職先の提示条件が最大のポイントです。
薬剤師の年収1,000万円は可能か?
薬剤師の年収1,000万円は可能な範囲ではあるでしょう。
とはいえ、もし、すべての薬剤師にとって年収1,000万円が現実的なのであれば、厚生労働省の賃金構造基本統計調査にも数字として表れているはずです。
現状は賞与などを含めて「500万円前後」が平均となっているため、ほとんどの薬剤師は今の2倍ほど稼がなければ1,000万円に達することができません。
20代、30代の一般社員での薬剤師での達成は難しいと考えましょう。
薬剤師が年収1,000万円を超えることは決して不可能なことではありません。しかし誰でも達成できるものではないというのが現実。達成するためには働き方や働く場所を選ぶ必要があります。
役職や調剤薬局の開業
薬剤師の年収1,000万円を目指すためには、基本的に役職に就く必要があります。
一般的に薬剤師の年収が高いと言われるのが製薬会社などですが、そういった利益の高い企業に転職して重役に就くことで達成できる可能性があります。
また調剤薬局の場合は、「管理薬剤師」でストップするケースが多いですが、全国展開している調剤薬局に転職して役職を目指したり、自分で調剤薬局を開業するといった方法もありますね。
ほとんどの薬剤師にとって、年収を上げる最適解は「転職」である
そういう意味でも、転職サイトで日々好条件の案件を見る・実際の希望条件に対しての相場を見るのはチャンスをつかむ近道になります。
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