薬剤師や看護師など医療従事者が、勤務中に身に着ける腕時計、どこまでのブランドが許される！？意外と難しい？

腕時計は、大人の男性が違和感なく着けることのできる、唯一のアクセサリーといわれています。女性においても、髪型やネックレスだけでなく、アクセサリーの一つとして腕時計にこだわる方もいるでしょう。

男女問わず、職場でできるオシャレとして腕時計にこだわりを持つ方は多くいます。

しかしプライベートでは自由であっても、仕事中の腕時計に関しては、何を着けてもよいというわけではありません。あまりに高級なブランドでは、まわりから顰蹙（ひんしゅく）を買ってしまうこともあります。

この記事では、薬剤師や看護師が身に着ける腕時計において、どこまでのブランドが許されるのか、考えていきます。研修医や医師などの医療従事者でも使えるものを選んでいますので、参考にしてみてください。

医療従事者は腕時計をしてもいい？

そもそも医療従事者は、腕時計をしてもいいのでしょうか？医師は良くても、薬剤師や看護師はNGということはあるのでしょうか？

職種によって異なる

医療従事者の中でも、腕時計を着用してもよい職種やそうでない職種というものは、明確に分かれています。職種ごとの優劣というよりも、仕事において支障を来さないかどうかということがポイントです。

たとえば、患者さんに触れることの多い職種であれば、腕時計をしていることで患者さんにケガをさせてしまう可能性があります。

また、医療の現場においては、腕時計は不潔なものとして考えられているので、衛生面からNGとなる場合もあるでしょう。

一方で、臨床の現場ではなく、スーツを着て仕事をするような職種であれば、腕時計を着用することはなんら問題ありません。むしろ、身だしなみの一環として、腕時計を着用しない方が問題ともいえますね。

腕時計を着けてもよい職種・腕時計を着けるべきではない職種について、次の項で具体的にみていきましょう。

腕時計を着けてもよい職種

腕時計を着けてもよい職種には、どのようなものがあるのでしょうか。

内科医、精神科医、研究医

内科医や精神科医、研究医のように、患者さんに直接触れる機会の少ない職種であれば、腕時計を着用することは問題ありません。

診察で問診を受ける際に、医師が腕時計を着用していたとしても、なんら不自然ではないでしょう。

ただし患者さんに対して、処置を行う際やレントゲンなどの検査の際には、腕時計を外さなくてはならない場面もあります。研究において、無菌でなくてはならない作業なども同様ですね。

調剤薬局の薬剤師

調剤薬局の薬剤師も、患者さんに直接触れることは少ないので、腕時計を着用することは可能です。在宅医療で外回りをする際にも、腕時計をしていると役に立ちますね。

ただし無菌調剤のような特殊な業務を行う場合には、衛生面を考えると腕時計は望ましくない場合もあります。

製薬会社のMR

製薬会社のMRは患者さんに直接触れることはないので、腕時計を着用することは何ら問題ありません。むしろ、ビジネスパーソンとして腕時計を着用することはマナーの一つです。

ただし、ビジネスの場にふさわしくないような華美なものや、あまりに高額な腕時計は避けるようにしましょう。

看護師

看護師は、直接患者さんと触れる機会が多い職種なので腕時計は危ないというようにも考えられます。しかし看護師にとって腕時計は、なくてはならない存在です。

点滴の速度を計ったり、脈拍を測定したり、投薬の時間を確認したりと何かと腕時計が必要となってきます。

とはいえ、なにか処置をする際などたびたび腕時計を外さなければならない現場もあるため、腕時計ではなくナースウォッチを愛用されている方も多いですね。

腕時計を着けるべきではない職種

一方で同じ医療従事者であっても、腕時計を着けるべきではない職種というものもあります。

外科医、救急救命医

外科医や救急救命医のように、手術や外科的処置の多い職種においては、腕時計を着けることは望ましくありません。

腕時計はどれほど気を使っても清潔にすることは難しいので、患者さんに感染症のリスクを与えてしまいます。

もちろん、カンファレンスの出席や病院内の回診においては、腕時計を着けることは問題ありません。

病棟薬剤師などの臨床職

病棟薬剤師などの臨床職においても、腕時計はふさわしくないと言えるでしょう。患者さんにケガをさせてしまうおそれもあるので、勤務中は外しておくようにしなくてはなりません。

どうしても腕時計が必要である場合には、ラバー製のものなど安全なものを選ぶようにしましょう。

ドラッグストアの薬剤師

ドラッグストアの薬剤師においては、腕時計をしている方も珍しくありません。しかし品出しや陳列の際に、腕時計や商品に傷がついてしまう可能性があるため、本来であればオススメできません。

腕時計をする場合には、傷ついてしまっても問題のない仕事用のものを用意するとよいでしょう。

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薬剤師・看護師が腕時計を選ぶためのポイント

ここでは、薬剤師や看護師が職場用の腕時計を購入する際に、選ぶためのポイントを解説していきます。

華美でないものを選ぼう

派手な色や装飾のものや、必要以上に大きいものは、避けることが無難です。白衣や仕事着の下に着用しても、目立たないようなものを選びましょう。

ビジネスの場面においては、シルバーや黒を基調とした腕時計がふさわしいといわれています。年齢によってはゴールドやプラチナ系統のものでも、問題ありません。

あまりに高級なブランドはNG

腕時計の中には、何百万円もするような高級なブランドも存在しています。腕時計が趣味の方はコツコツと貯金をして購入することもありますが、職場に着けていくことは避けましょう。

プライベートと仕事用の腕時計を使い分けることがオススメです。仕事用のものは、迷ったら国内メーカーの腕時計を選択するとよいでしょう。

スマートウォッチは避けたほうが無難

Apple Watchのようなスマートウォッチも流行していますが、仕事用としては避けたほうが無難といえます。個人情報の漏洩につながったり、医療機器との干渉が問題視されることもあります。

しかし通常の腕時計にはない利便性も兼ね備えているため、職場で使用している方もいるものです。とある病院では医療スタッフにアップルウォッチが病院から支給されているとか…。

スマートウォッチを使うことでタイマーやアラーム、点滴の滴下速度計算にも使えるので、あると便利なのは間違いありません。

デジタルよりもアナログが使いやすい

とくに看護師は、秒針が重要です。脈をはかるときなどに秒針を見て計測するのですが、デジタルだと直感的に「あと何秒後」がわかりにくいので、けっこう使いにくいと感じます。

デジタルのほうが時間がずれにくいメリットもありますが、実用性を考えるならアナログを選びましょう。

オススメの「無難感・清潔感ある」ブランド7選

ここでは、薬剤師や看護師が身に着ける腕時計として、オススメのブランドをご紹介します。

セイコー

セイコーは国内でもよく目にするメーカーですが、実は世界的にも有名であることはご存知でしょうか？

世界ではじめて「クオーツウオッチ」を製品化したメーカーであり、スポーツ競技場のタイマーやオリンピックのオフィシャルタイマーとしても採用されています。

比較的安価でありながら、高い性能と品質を有しているので、オススメのメーカーです。

シチズン

シチズンは国内最大手の時計メーカーであり、腕時計の機械部分（ムーブメント）の生産において、世界シェアの3割を有しています。

太陽光発電により電池交換が不要な「エコ・ドライブ」を採用しているモデルは人気も高く、半永久的に使用することができるのでオススメです。

安価なモデルから高級モデルまでラインナップされているので、はじめての腕時計にいいですね。

グランドセイコー

日本の腕時計メーカーである、セイコーが所有する高級腕時計ブランドのひとつが、このグランドセイコーです。日本国内で部品の生産から組み立てまでを行っているため、高い品質の腕時計として人気があります。

国産メーカーの高級ブランドであるこちらのメーカーは、周りからの受けもよいことから、医療従事者からも人気です。「少しよいものを身に着けたいけど国内製がよい」という方にオススメです。

ロンジン

スイスの時計メーカーであるロンジンは、1832年から200年近い歴史を持つ、老舗メーカーです。

歴代万博で数多くのメダルを獲得したメーカーでもあり、高級時計においてトップクラスの人気と知名度を誇っていましたが、現在ではロレックスやオメガにその地位を明け渡しています。

海外の時計でありながら、嫌みなく自然に使えるメーカーの一つとして、ご紹介させていただきます。

ダニエル・ウェリントン

ここ最近で大きな人気を集めているダニエル・ウェリントンもオススメな腕時計メーカーの1つ。シンプルなデザインでありながら大人っぽくおしゃれな雰囲気が人気です。

色合いも落ち着いたものが多くお値段もお手頃なので、仕事用の腕時計にもピッタリ。デザインがゴツゴツしていないので仕事中に腕時計が邪魔に感じることもありません。

ハミルトン

ハミルトンは海外ブランドでありながら、高くても10万円位内で購入できるブランド。いつもよりちょっといい腕時計が欲しいけど予算は控えめで…という方に人気のブランドです。

シーンを選ばずに使えるようなデザインから、三角形の形をしたちょっと変わったデザインまで取り扱っています。

G-SHOCK

どんな衝撃にも耐えうる頑丈さが売りのG-SHOCKは、医療現場で意外と人気なモデルです。

汚れにも強く、防水性。落としても壊れないことから、慌ただしく職場を駆け回る方に人気となっています。耐久性が非常に高いことから、消防士やパイロットの方にも人気だとか。

【番外編】救命医師専用モデル Sinn EZM12

ドイツ製のこちらの腕時計は、ドクターヘリの救命医師のために開発されたモデルです。

カウントアップ式のインナーベゼルとカウントダウン式の回転ベゼルを搭載していることが特徴で、救急救命における時間の経過を、直感的に把握することが可能です。

ベルトとベゼルを分解して洗浄・消毒することも可能なので、まさに医療従事者のための時計と言えますね。（価格は少し高いですが…。）

【番外編】看護師にオススメのナースウォッチ

看護師が時計を買う際はおそらく、秒針があるかどうかや蓄光もしくは文字盤にライトがあるかどうかを重視して買われるかと思います。さらに言えば防水かどうかも大きなポイントとなるでしょう。

リトルマジックのナースウォッチは、蓄光、防水、秒針つきでチェーンもお好みのものに付け替えられる仕様になっています。文字盤が逆さになっているので、胸ポケットにつけたままでも見やすいですね。

腕時計のようにつけたり外したりしなくて済みますし、業務にも支障をきたさないので看護師の方にはこのようなナースウォッチもオススメです。

医療現場でも使えるちょっとイイ腕時計

時計が好きな方にとって、ちょっとお高めのイイ腕時計には言葉で言い表せないほどの魅力を感じますよね。

高級ブランドでありながら、医療現場でも浮かない高級腕時計をいくつかご紹介します。

ロレックス

高級腕時計ブランドといえばロレックス。腕時計好きなら多くの方が惹かれるブランドの1つでしょう。

高級ブランドとなると華美なものが多く、重さもあるため医療現場で着用するには向かないものが多いものです。そんな中でも下記のものはシンプルなデザインで職場にも馴染みやすいデザインとなっています。

ハリー・ウィンストン

1932年に創業したハリー・ウィンストンは、腕時計だけでなくさまざまな宝飾品も手掛けるメーカーです。繊細な輝きを放つ腕時計に魅了される方も多いでしょう。

独特のデザインが印象的なものも多いですが、シンプルでエレガントなものもあります。

参考：ハリー・ウィンストン【HARRY WINSTON】

まとめ

薬剤師や看護師などの医療従事者が身に着ける腕時計について、考えていきました。

プライベートであれば、周りの目を気にすることなく、自分の気に入った時計を身に着けることをオススメします。

しかし、仕事中に身に着ける腕時計については、同僚・先輩薬剤師や他の医療従事者から注目されすぎないブランドを選ぶ方がよいでしょう。

また、実際にいくつかの腕時計メーカーをご紹介させていただきましたが、もちろんこれら以外にも優れたメーカーはあります。ぜひとも、自分だけの一本を見つけてくださいね。