就職先、転職先の「労働条件」をきちんと確認していますか?
「労働条件通知書と雇用契約書の違いは?」
「いろいろ紙を貰ったけど何を確認すればいいの?」
このような悩みを持っている方も多いでしょう。
そこで今回は、働く前に絶対に確認しておきたい労働条件や雇用契約書のチェックポイントをご説明します。
薬局薬剤師
この記事の目次
新卒薬剤師でも転職でも労働条件を必ず確認すべき3つの理由
薬剤師は他の仕事と比べると転職しやすいことから、短いスパンで職場を変える方も少なくありません。
転職する理由の1つとして年収を上げたいというのが挙げられますが、それに匹敵するくらいに理由として挙げられるのが労働条件の悪さです。
働き始める前にきちんと労働条件を確認しておかないと思っていたのと何かが違うという事態になりかねません。よくあるのが次の3つです。
- キャリアアップしたのに年収が下がってしまった
- 辞めたくてもすぐに辞められない
- 思ったよりも昇給しない
せっかく新しい職場に就いたのにこんな目に合うのはゴメンですよね。労働条件を確認していないことでなぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。
キャリアアップしたのに年収が下がってしまった
意外と多いのがキャリアアップしたはずなのに年収はダウンしてしまうという逆転現象です。薬剤師のキャリアアップとして多くの方が目指す管理薬剤師や薬局長。
キャリアアップした薬剤師本人からしたら嬉しいことですが、職場によってはこれらのキャリアに就くことで残業代が発生しなくなる可能性があります。
これは労働基準法で管理監督者には残業代を払わなくてよいという決まりがあるからです。
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辞めたくてもすぐに辞められない
会社によって「辞めるときは辞める◯ヶ月前には退職願を出す」というようなルールがあります。これは後にお話しします労働条件通知書や雇用契約書に記載されている内容です。
これを確認していなかったがために希望の時期に辞められなかったというケースがあります。
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思ったよりも昇給しない
面接のときに「すぐに昇給するよ」と言われていたのに、2年経っても3年経っても給料が少しも変わらない…ということもあります。
労働条件を読んでみたら◯時間以上働かなければ昇給しないなど細かく書いてあったと後になって気づくこともあるでしょう。
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「労働条件通知書」と「雇用契約書」の違いは?
労働条件通知書と似ているものに「雇用契約書」というものがあります。
どちらも会社に勤める際によく聞いたり見たりする書類です。なんとなく似たような雰囲気を醸し出す書類ですが、どう違うのでしょうか。
労働条件通知書とは?
労働条件通知書とはその名の通り、労働条件についての決まりごとやルールを記した通知書のことです。会社は必ずこれを雇われる側に提示します。
会社が誰かを雇うということは、雇われる側に対して何百万円もの給料を払うということ。労働者を雇うというのは、これだけ多額のお金が動く立派な契約なのです。
そのため労働基準法によって、労働条件通知書の提示が義務付けられています。
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労働条件通知書に記載すべきこと
労働条件通知書は、労働基準法によって定められているもの。そのため何を記載すべきなのかも決められています。記載内容は以下の通りです。
必ず記載すべき項目 | 口頭で伝えてもよい項目 |
---|---|
・働く場所 ・業務内容 ・勤務時間 ・休憩時間 ・残業の有無 ・休暇・休日 ・給料の支払い日 ・退職に関する事項 | ・昇給に関する事項 ・退職手当の支払いの時期など ・賞与やボーナスなどに ・労働者に負担させる食費・作業用品など ・安全衛生 ・職業訓練 ・災害補償、業務外の傷病扶助に関すること ・表彰や制裁 ・休職 |
労働基準法ではすべての項目を記載するように行政指導をしている
昇給や退職手当などに関することは労働条件通知書に必ず記載する必要はないんですね。
しかしこれらすべての項目を記載して雇われる側に通知するよう行政指導が行われているため、多くの企業では口頭でよい内容も書いてあるでしょう。
労働条件通知書を確認しておかないとどうなる?
労働条件通知書は会社からかならず提示されます。これを読まずに「こんなはずじゃなかった」と後から騒いでも、それは労働条件通知書を読んでいない方の責任です。
逆に労働条件通知書に書いてある内容が守られていない場合、会社は労働基準法に違反していることになります。
しっかりと労働条件通知書を読んでおかないと、自分の確認不足なのか会社側の違反なのかをハッキリさせることができません。
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雇用契約書とは?
実は雇用契約書と労働条件通知書は、一見するととても似ている書類です。雇用契約書も労働条件通知書と同じように労働契約期間や退職や休職、ボーナスなどに関することが書かれています。
つまり記載内容は労働条件通知書とほとんど同じということです。
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労働条件通知書の通知は義務!しかし雇用契約書は義務ではない
労働条件通知書も雇用通知書も書かれている内容はほぼ同じ。たったら何が違うの?という話になってきますよね。
労働条件通知書は法律によって会社が雇われる側に提示することが義務づけられています。一方で雇用契約書は提示しなければならないといった義務がありません。
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雇用契約書は会社と雇われ側とが双方に合意したことを確認する書類
提示が義務であるかどうか意外にももう一つ違いがあります。労働条件通知書は会社→雇われる側というように、会社がなかば一方的に提示するものです。
それに比べて雇用契約書は会社と雇われる側が書いてある内容について双方に確認し合うための書類。雇用契約書を和良されたら署名と捺印をして会社に提出します。
つまり雇用契約書はお互いがこの条件で働くことに納得しましたよと確認するための書類ということです。とても似ていますがこういった違いがあるんですね。
労働条件通知書 | 雇用契約書 | |
---|---|---|
発行義務 | あり◯ | なし✕ |
発行する理由 | 会社が雇われ側に労働条件を一方的に通知する | 会社と雇われ側が双方で労働条件について確認する |
薬剤師が確認しておくべき雇用契約書のチェックポイント
雇用契約書に書いてある内容も、労働条件通知書に書いてある内容もほとんど同じです。つまり確認すべき内容も労働条件通知書のものと同じと思ってもらって構いません。
雇用契約書を渡された場合も同様に以下の項目についてきちんとチェックをしておきましょう。
- 労働契約の期間
- 就業の場所、従事する業務の内容
- 始業、終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日などに関する事項
- 賃金の決定支払いの時期などに関する事項
- 退職に関する事項
土日が必ず休みになるのは「完全週休二日制」であり「週休二日制」ではありません。後者の週休二日制だと月に一回だけでも週に2日休みの日があればOKとされています。
このような理想と現実の乖離を避けるためにも、雇用契約書は必ず確認しましょう。小さな字で長々と書いてあるので読まずに印鑑を押してしまう方も多いですが、これはトラブルの元です。
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労働条件通知書・雇用契約書に相違があったら薬剤師がすべきこと
たとえば雇用契約書に書いてある休日日数と実際の日数が違う、給料が違うなどの状況に直面した場合、どうすればよいのでしょうか。
雇用契約書の内容と違うまま働いていても損することがほとんどなので、気がついた段階でいくつか対処せねばなりません。
- 内容に相違があると会社の雇用先に伝える
- 働き始める前であれば採用を辞退することも考える
- 弁護士に相談
- 労働局に相談
意図せずして雇用契約書の内容が間違っていることがあります。たとえば薬剤師に登録販売者の雇用契約書を間違って渡してしまうなどのミスです。(たとえばの話です)
このようなときはまず雇用先に伝えましょう。店長や薬局長などに相談してもいいですし、会社の人事担当に相談しても構いません。
もしも実際に働き始める前の段階で内容の違いに気がついたら、場合によっては採用を辞退することも考えます。求人にはよい情報を書き、雇用契約書には求人よりも悪い条件を故意に載せている企業もあるので、注意しなければなりません。
すでに働き始めた段階で雇用契約書の違いに気がついた場合も店長や薬局長などへ相談することが一般的ですが、話を流されてしまったり言い訳をされたりする場合は、弁護士または労働局に相談します。
まとめ
労働条件通知書や雇用契約書を渡されても、なんだかいろいろ書いてあって読むのが面倒だと感じる方がほとんどでしょう。
しかしこれらの書類は、これからその会社で働いていくために絶対に必要なさまざまなルールが記載されているものです。「こんなはずじゃなかった!」となる前に必ず目を通しておきましょう。
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