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動物薬剤師の仕事内容、認定資格は?転職求人・年収やメリット解説!動物病院の募集は少ない…?

動物薬剤師の仕事内容、認定資格は?転職求人・年収やメリット解説!動物病院の募集は少ない…?

動物に関わる仕事がしたいと考えている薬剤師もいることでしょう。愛らしい動物の健康のために働けたら、きっと大きなやりがいも得られるはずです。

しかし動物薬剤師という仕事は調剤薬局や病院と比べるとメジャーなものではなく、どうすれば動物薬剤師になれるのか、年収はどれくらいなのかとわからないことも多くあります。

そこでここでは、動物薬剤師の仕事内容や必要な資格、年収などをご説明していきます

動物薬剤師になるには

動物薬剤師仕事内容や必要な資格
主に動物病院や、動物の医薬品を作っているメーカーで働いている薬剤師を指して動物薬剤師と呼んでいます

薬の飲み方の説明をしたり獣医師の相談に乗ったり、動物用医薬品の安全性を確かめたりする仕事です。薬剤師の約80%が病院や調剤薬局、ドラッグストアで働いているので動物薬剤師として働いている方はとても少ないでしょう。

まずは動物薬剤師になるための資格や年収などの基本的な情報を見ていきます。

動物薬剤師になるための資格

動物薬剤師と聞くと、専門薬剤師のように何か資格がいるように思えます。しかし「動物薬剤師」という資格が存在しないばかりか、動物薬剤師になるのに必要な資格もとくにありません。つまり薬剤師であれば誰でも動物薬剤師になることができるのです。

何も資格がいらないのは少し驚きですよね。薬学部の講義で動物の病態や体内動態について学ぶことは一切ありません。もちろん人間と動物とではまず体の大きさが違いますし、けっこう未知の領域に近いのです。

資格がないとなると、かえって心配な気もします。少しでも動物について知識をつけたいと思われる方は、次に紹介する資格を取ってみるのもよいかもしれません。

猫健康管理士

名前の通り猫専門の生態学や病態についての知識があることを証明する資格です。民間の資格であり難易度も高くなく、しかもどなたでも受講できます。通信講座を受け、修了試験に合格すれば資格の取得が可能です。

〈資格取得条件〉対象の通信講座を受講し修了試験に合格
〈費用〉60,000円(税抜)
〈難易度〉簡単(中学校程度の学力で解ける問題)
〈参考サイト〉猫健康管理士 通信認定講座 | 講座ガイド | ペットの資格

愛玩動物救命士

こちらも通信講座を受講し、修了試験に合格することで取得できる民間の資格です。犬や猫の身体の仕組みや病気、動物愛護管理法などについての知識があることを証明できます。

〈資格取得条件〉対象の通信講座を受講し修了試験に合格
〈費用〉60,000円(税抜)
〈難易度〉簡単(中学校程度の学力で解ける問題)
〈参考サイト〉猫健康管理士 通信認定講座 | 講座ガイド | ペットの資格

獣医師

動物薬剤師として働くために獣医師の資格を取るというのは、現実的ではありませんが1つの手段としてご紹介だけしておきます。

獣医になれば動物を診て診察し薬を処方するまですべて自分でできますので、動物の命に関わる仕事をしたい方にはまさにぴったりの資格でしょう。なお獣医学部も薬学部と同様に6年制で、私立大だと学費が1,000万円前後かかります。

〈資格取得条件〉獣医学部や獣医学科を卒業し獣医国家試験に合格
〈費用〉私立:約1,000万円 国立:約450万円~500万円
〈難易度〉難しい(一般に薬剤師国家試験より難易度が高いといわれている)

動物薬剤師の給料・年収

動物薬剤師の年収は、一般的な薬剤師の平均年収とほとんど同じくらいだと考えられます。およそ年収400~600万円と見ておくとよいでしょう。極端に年収が高いこともなければ、低いこともありません。

ただし中には年収350万円~という求人もありますので、一概に薬剤師の平均年収と同じくらいとは言えないところもあります。

動物薬剤師のやりがい

動物薬剤師が相手をするのは動物であり、動物の飼い主さんです。人間相手に調剤をするのとはまったく別のやりがいがあります。動物薬剤師のやりがいとして以下のものがあげられるでしょう。

  • 言葉を喋れない動物を助けてあげられる
  • 飼い主さんも元気にできる
  • 家族を守るお手伝いができる

動物といえども、飼い主さんと一緒に毎日を過ごす大事な家族です。誰かの大事な家族を救って上げられたときの達成感や喜びは筆舌に尽くしがたいものでしょう。

動物薬剤師として活躍できる職場

動物薬剤師は動物病院や医薬品メーカーで活躍できる
動物薬剤師=動物病院とイメージしがちですが、他にも活躍できる職場があります。ここでは動物薬剤師の職場にどのようなものがあるのかをご紹介していきます。

動物病院

動物薬剤師と言われて、多くの方がパッと頭に思い浮かべる職場が動物病院です。

小さな動物病院だと獣医師が薬の準備や説明までするケースが多いですが、大学に付属しているような動物病院であれば薬剤師を雇っている職場もあります。大きめの動物病院を探すと求人を見つけやすいでしょう。

動物医薬品メーカー

製薬会社に近い働き方ができるのが、動物医薬品をメーカーです。新薬許可の申請やDI業務、行政対応などを行います。直接動物と触れ合う機会はほとんどなく、間接的に動物と関わっていく仕事です。

動物園

求人数は非常に少ないのですが、動物園で働くという選択もあります。

動物に薬を飲ませたり、健康管理のために餌にサプリメントを配合したりなどの業務がメインです。動物園にはだいたい獣医師がいますので、獣医師と協力して動物たちの健康を守っていきます。

ペット用食品メーカー

動物用の食品もペレットや牧草、おやつと多くの種類があります。動物たちのご飯は、薬ではなく食品に分類されるものではありますが、直接口に入るものなので品質管理が欠かせません。この品質管理をペット用食品メーカーでは行います。

動物医薬品検査所

動物医薬品検査所とは、動物の健康管理や公衆衛生の向上、医薬品の品質管理などを行っているところです。

動物医薬品検査所で働くためには、農林水産省で実施される技術職員採用試験を受験し合格する必要があります。国家公務員の試験にも合格する必要があるため、難易度はやや高めです。

動物病院に薬剤師は必要なのか

動物病院に薬剤師は必要?
ところで動物病院に薬剤師がいるのを見たことがあるでしょうか。ほとんどの病院に薬剤師はいません。獣医師も薬理学を学んでおり、診察から治療薬の選択まで獣医師一人で行なえることから、薬剤師を絶対に置く必要性はないのです。そう考えると、動物病院に薬剤師は必要なのか?という疑問が生じてしまいます。

獣医師が診察と薬の管理をすることはリスクがある

獣医師が一人で診察も薬の管理も行うのは、事故を引き起こす可能性を否定できません。看護師がいる動物病院もあるものの、なかなかリスク管理まで手を付けるのは難しいでしょう。

もしもここに薬剤師が関与できたら、獣医師と薬剤師とで薬の二重チェックができるため、過量投与などのリスクを抑えられます

本来は動物に合った剤形や投与設計が必要

動物薬剤師はさまざまな個体の対応をしなければなりません。犬や猫など一般的な動物から、鳥や亀なども対象です。

動物の種類によって薬の代謝のされやすさが違ったり、飲みやすい剤形があったりします。動物に合った剤形や投与方法を提案できる薬剤師がいるにこしたことはありません。

ただし薬剤師を常置するのは現実的ではない

薬剤師がいたほうがよりよい治療を行えるのはたしかでしょう。しかし薬剤師1人を雇えるほど規模が大きく経営状況も安定している動物薬剤師は意外と多いものではありません。

また薬剤師でも動物の薬物動態についてはまったくの素人です。動物に詳しい薬剤師の数が非常に少ないため、現状として薬剤師を雇っている動物病院の数は多くありません。

動物薬剤師のメリット・デメリット

動物薬剤師として働くメリット・デメリット
動物薬剤師という、少し変わった働き方だからこそ得られる経験も多いですよね。動物薬剤師として働くメリットやデメリットを見ていきましょう。

メリット

  • 薬剤師×動物という貴重な存在になれる
  • 動物だけでなく人間も笑顔にできる
  • 動物と毎日顔を合わせられる

薬剤師ならあちこちにたくさんいますけど、薬剤師で動物の治療に詳しい方となるとかなり少ないはずです。動物薬剤師として働くだけで、とても希少な存在になれます。唯一無二の存在になれるのです。

また動物薬剤師は、動物を健康にするだけでなく、動物を飼っている飼い主やその家族まで笑顔にすることが可能です。動物病院で働けば、動物と毎日顔を合わせられるので、動物好きな方からすると嬉しい環境でしょう。

デメリット

  • 言葉を話せない動物を相手にするので、治療がうまくいかないこともある
  • 一般的な調剤の知識は身につかない
  • 求人がなかなか見つからない

やはり相手が動物ということもあり、どんなにいい薬を渡してもきちんと飲んでずにそのまま体調が回復しないこともあります。言葉が通じないもどかしさを時に感じるかもしれません。

また扱う医薬品の種類も限られたものになりますので、医療用医薬品について広い知識をつけることは少々難しいです。そして何より、動物薬剤師の求人が少ないため、なかなか思うような職場が見つからないこともデメリットといえます。

動物薬剤師、実際の求人募集は?

動物薬剤師の求人は高年収?実際に求人を見てみよう
実際にどのような求人が出ているのか、いくつか見てみましょう。

動物薬剤師の求人①

動物薬剤師 求人

動物医薬品メーカーの募集ですね。年収360万円~。業務内容は動物用医薬品の検品作業や管理などで、薬剤師の資格があればどなたでも応募できます。

動物薬剤師の求人②

動物薬剤師 求人 2

動物用商品の開発補佐として関わる仕事です。年収は300万円~、英語ができる方が優遇されます。会話はできなくてOKとのことなので、単語や文法がわかる方なら対応できるでしょう。

薬剤師が英語力を生かせる仕事・求人はある?英文を勉強したら年収は上がるのか…?

動物薬剤師の求人③

動物薬剤師 求人 3
動物用医薬品の製造に使われる原料の確認や製造工程のチェックをするお仕事です。ペットショップでの講習会をしたり製品開発をしたりなども仕事もあります。

動物をより身近に感じながら働きたい方に向いている仕事と言えるでしょう。

求人参考:求人ボックス /2020年4月時点

動物薬剤師の求人④


参考:アニジョブ 2019年9月時点

こちらは動物病院の求人です。求人にも書いてあるとおり、かなり珍しい求人といえるでしょう。

パート・アルバイト募集の求人であるため、年収は「~200万円」と低めです。

ポイント!
動物薬剤師として働きたい方は、薬剤師転職サイトとは別に「アニジョブ」のような動物系の求人を扱う専門サイトにも登録しておくと、求人を見つけやすいでしょう。

動物専門でキャリアを展開していくには、どんな道がある?

動物薬剤師のキャリア
上で求人をいくつか紹介した通り、動物薬剤師の求人を探してみるとほとんどが医薬品メーカーの求人であることがわかります。動物病院の求人はほとんど出ていません

そのためとにかく動物に関する知識を付けたいのなら医薬品メーカーで働くのが1番の近道です。しかし医薬品メーカーの求人もそこまで多いとは言えないのが現実です。

動物薬剤師になりたいなら転職サイトの利用がオススメ

動物薬剤師として働きたいのなら、日頃から求人を隈なくチェックしておくか、転職サイトに登録しておくのがよいでしょう。とくに転職サイトの利用はオススメです。

希望の求人が出たらすぐに電話やメールで紹介してくれるので見逃す心配もありません。中でも薬キャリはコンサルタントの対応が早く、貴重な求人も逃しにくい転職サイトですので動物薬剤師の求人をお探しの方にはぴったりでしょう。

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薬キャリの評価
求人数
(4.5)
信頼度
(4.5)
対応力
(5.0)
満足度
(5.0)
メインでの使いやすさ
(5.0)
総合評価
(5.0)

薬キャリ<公式サイト>

まとめ

動物薬剤師になりたいなら転職サイトの活用を
動物薬剤師になるためには、特別な資格はいりません。一般的な薬剤師とほとんど同じ給料で、誰でも働くことができます。動物だけでなく家族の方も笑顔にできるやりがいのある仕事です。

しかし動物薬剤師の求人はあまり多くありません。日頃から求人をチェックしておくか、転職サイトに登録して求人を紹介してもらえるようにしておくと見つかりやすいでしょう。