「日本調剤って大手チェーンだけど、働きやすさはどうなの?」
「薬剤師として働きたいんだけど、評判が気になる」
チェーンの調剤薬局としてかなりの知名度を誇る日本調剤。大手の調剤薬局ということで、日本調剤で働いてみようか迷っている方も多いでしょう。
ここでは日本調剤の給料や研修制度、さらには実際に働いていた薬剤師の評判までご紹介します。
薬局薬剤師
日本調剤の概要
参考:日本調剤
名称 | 日本調剤株式会社 |
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企業理念 | 「医薬分業」 |
本社 | 東京都千代田区丸の内 |
従業員数 | 4,383名(2019年3月時点) |
売上高 | 2,456億円(2019年3月時点) |
店舗数 | 656店舗(2020年5月時点) |
日本調剤は全国47都道府県に店舗を展開する、とても規模の大きいチェーンの調剤薬局です。
1980年に創業した当初は、わずか1店舗のみだった日本調剤も今では全国に店舗を構えるほどの規模にまで成長しています。
現在は東京都に本社を置いていますが、日本調剤の第一号店は北海道の札幌市からスタートしました。
転職サイト「ファルマスタッフ」を運営
2000年には子会社として株式会社メディカルリソースも設立し、現在は薬剤師専門の転職サイトである「ファルマスタッフ」も運営しています。
ファルマスタッフについての情報は以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はこちらもぜひご覧ください。
ファルマスタッフの口コミ・評判が分かる!19年の実績・母体が日本調剤という安心感。調剤薬局へ転職したい薬剤師におすすめの理由
日本ジェネリック株式会社を運営
参考:日本ジェネリック株式会社
日本調剤は、薬局の展開、薬剤師転職サイトの運営だけでなく、医薬品の研究開発、製造も行っています。
日本ジェネリックで製造したジェネリック医薬品を、日本調剤で使うという、面白い流れを作っているのが特徴でしょう。OTC医薬品も製造もしており、昨今ではミノキシジル5%を配合した『ミノキシジルローション5%「JG」』が話題となりました。
日本調剤の募集要項
日本調剤で働く場合にどのような条件で働くことになるのか、募集要項をまずは見ていきましょう。
新卒薬剤師の給料
- 初任給 月額250,000~310,000円(薬剤師手当、地域手当込み)
- 賞与 平均5.62か月
初任給は他の調剤薬局とそこまで大差がありませんが、ボーナスは多い方であると言えるのではないでしょうか。
ボーナスの金額は、相対評価のランクによって決まります。評価はS、A、B、C、-C、D、E、Fといったランクに分けられており、評価が高いほどボーナスも増える仕組みです。
賞与も含めた年収を計算してみると約400~500万円になることが予想されます。
実際に以下のような求人がマイナビ薬剤師で出ていました。
参考:マイナビ薬剤師 2021年2月時点
中途薬剤師(正社員)の給料
中途の場合は「薬局薬剤師」「在宅医療専任薬剤師」「病院支援薬剤師」の3種類が募集されています。薬局薬剤師はその名のとおり薬局に勤務する薬剤師です。
在宅医療専任薬剤師は在宅訪問や無菌調剤、輸液調整などを行います。病院支援薬剤師は日本調剤の社員として病院に派遣され、派遣先の病院で働く勤務方法です。
いずれも給料に違いはなく、同じ条件で募集されています。
- 給与 月額250,000~500,000円(各種手当込み)
- 賞与 平均5.62か月
中途採用になると、給与は最大で50万円まで貰えます。能力次第ではかなりの高年収を目指せる職場と言えるでしょう。
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パート薬剤師の給料
- 時給 1,800円より(週20時間以上働ける場合は時給2,000円から)
- 昇給 あり
パートの時給は1,800円からと決して高いほうではありません。
週20時間以上働ける場合は時給2,000円での雇用となるため、短い時間しか勤務できない方は他の求人を探したほうが高時給で働ける可能性が高いでしょう。
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休日
- 年間休日 125日
- 年次有給休暇 10日(初年度)
休日数も他の調剤薬局と比べると気持ち多めです。120日を超えるとそれなりに休日数が多いという印象があるので、悪くはないでしょう。他に産休や育休、介護休暇なども取得できます。
福利厚生
- 従業員持株会
- 退職金制度(確定拠出年金)
- 財形貯蓄
- 社内預金
- 団体定期生命保険
- 定期健康診断
- 薬品使用料支給制度
- OTC社員割引制度
- 慶弔見舞金
- 長期収入ガード(GLTD)
- ゴールドカード入会優待
- 保養施設
- 会員制リゾート施設
- 育児短時間勤務制度
- ベビーシッターサービス
- 月極育児補助金
- 認可外保育園優先入園枠確保
- 借上社宅制度
主な福利厚生のみをピックアップしても、これだけのものがあります。
社会保険などが完備されているのはもちろん、会員制リゾート施設やベビーシッターサービス、月極育児補助金など少し変わった嬉しい福利厚生も用意されているのは嬉しいですね。
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手当にも注目
日本調剤には「外部認定専門薬剤師手当」というものがあります。いわゆる認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取ると、手当が貰えるというものです。
手当の支給対象となる資格を取得すると、月に5万円も手当が貰えます。年収にすると60万円アップなので、とても嬉しい手当ですね。対象となる資格は次のとおりです。
- 外来がん治療認定薬剤師
- 緩和薬物療法認定薬剤師
- 腎臓病薬物療法専門(認定)薬剤師
- 栄養サポートチーム専門療法士
- 糖尿病薬物療法認定薬剤師
- がん専門薬剤師
- HIV感染症薬物療法認定薬剤師
資格を取ることで手当が支給される企業はあまりないことを考えると、日本調剤は薬剤師の質を上げることに力を入れている企業と言えるでしょう。
奨学金返済サポート制度もある
奨学金を借りて大学を卒業する方も多いですよね。とくに私立薬学部の学費は6年間で1,200万円ほどかかるので、奨学金でどうにか卒業できたという方も少なくありません。
そんな奨学金を借りている方をサポートしてくれる「奨学金返済サポート制度」が日本調剤には用意されています。
なんと1人あたり3年間で最大252万円ものサポートを受けられるとか。ただし奨学金返済サポートを受けるためには2つの条件を満たす必要があります。
- 入社3年は全都道府県での勤務を可能とすること
- 選考時に別途行われる追加試験に合格すること
追加試験は小論文や計算問題、文章読解などが出題されます。奨学金の返済サポートを受けている間は全国勤務が条件となりますが、サポート期間が終わればエリアを指定しての勤務も可能です。
日本調剤の教育制度
日本調剤は大手の調剤薬局とだけあって、研修制度も非常に充実しているのが特徴です。
徹底した薬剤師の教育を実践することで、日本調剤の経営理念でもある「医薬分業」の実現を目指します。
15ステップアップ研修
いつでもどこでも医薬品に関する基礎知識を学べる制度で、eラーニングのシステムを使って勉強を進めていきます。
全部で15のステップからなるこの15ステップアップ研修は、なんと一般の方でも受講できるようにJPラーニングとして販売されているものと同じ内容です。
300項目以上の学習テーマと、合計1,000ページを超える解説資料が無料で利用できます。
参考:徹底した薬剤師教育の実践|事業内容|企業情報|日本調剤株式会社
研修認定薬剤師の単位申請にも対応しているとのことなので、単位を集めたい方には嬉しい制度ですね。
主要医薬品の適応や禁忌、外用薬の配合変化や医薬品の適応外使用などを本格的に学べます。
教育情報部ポータルサイト&バーチャルクラスルーム
1,200件以上もの薬に関わる情報を集約した情報サイトです。分からないことがあったときに「教育情報部ポータルサイト&バーチャルクラスルーム」を使えば、知りたい情報をさっと調べられます。
不明点を教育専任スタッフに質問できる質疑応答システムもあるので、どうしても業務中に解決できなかった問題にも対応できます。
情報を検索するだけでなく、社員同士が意見交換をできる場もありますよ。
エクセレントサービス研修
どうすれば患者さまの満足度を上げられるのかを学ぶ研修です。患者さまの満足度を上げることは、かかりつけの取得にもつながりますし、治療効果を発揮するためにも大切になります。
接客の基礎となる接遇マナーや、コミュニケーションをロールプレイングで学ぶことで、日本調剤を利用した患者さまの満足度を上げることを目指します。
大学病院実務研修
より高度な医療を実践できる薬剤師を育てるために、大学病院での研修も行われています。
大学病院実務研修では注射剤の調剤やDI業務、病棟業務など病院薬剤師として働かなければ経験できないようなことまで学ぶことが可能です。
調剤薬局で働きながら病院での業務にも触れられるということもあり、薬剤師にとってはとても嬉しい研修制度と言えます。
在宅医療集合研修
高齢者が増えるにつれ在宅医療をできる薬剤師の必要性が高まってきました。
しかし薬学部で在宅医療の講義に力を入れているところはまだ少なく、いざ在宅医療をしようと思っても思うように活躍できず悩んでいる薬剤師も多いです。
そこで日本調剤では、在宅医療の現場でもしっかり対応できる薬剤師を育成するための研修も行っています。
フィジカルアセスメントや経腸経管栄養などについて、座学と実習を行っていく研修です。
実際に日本調剤で働いていた人の評判
大手だからこそできる福利厚生や研修制度の充実さは、医療現場で活躍したい薬剤師を目指す方にとって嬉しい待遇です。
では日本調剤での働きやすさはどうなのでしょうか。実際に働いて方の評判をいくつかご紹介します。
よい評判
土日祝休みで自分の休暇も大切にできます。体調面も気遣ってくれる。後、未経験でも丁寧に仕事を教えてくれるので経験を積むためにはとても良いと思います。
引用:カイシャの評判
最初の1カ月全て研修期間に当てられており、提示された金額をまるまる頂けました。働いていないのにボーナスも支給されました。1年目は固定の評価のため、全員定額で頂けます。日々の給与は比較的低めに感じますが、ボーナスが大きいので、相対的に他者と比較してもそこまで変わりはない結果になります。毎年必ず昇給するため、長く働くのには良い会社ではないでしょうか。
引用:カイシャの評判
研修制度が充実していることから、未経験でも経験を積みやすいのは嬉しいですね。毎年必ず昇給があるのも珍しいですね。
評価がよくないと昇給しない企業もあるので、必ず昇給できるのは日本調剤の強みと言えるでしょう。
悪い評判
人らあたりの仕事量は割と多めであると思う。勤めていた店舗は優秀な人が多かったから、なんとかなっていたけど病欠が出たり、処方箋枚数が多くなると回らない。人員の配置はギリギリだと思う。
引用:カイシャの評判
地域医療としてかかりつけ薬剤師制度に力を入れていますが、人の異動、退職が多く、三年以上同じ店舗で勤務する薬剤師が少ない状況でも患者を囲い込むために「私であれば加算料はかかりません」と言ってかかりつけの同意を得て加算要件が整った時に加算を始める、あるいは店舗のリピーターを増やす行為は患者のためなのか悩むことがあります。異動のために一年未満でかかりつけが二回変わった患者もいました。
引用:カイシャの評判
異動が多い、人員が少ないとの声は比較的多く見られます。異動が多いため患者さんに迷惑をかけてしまうのは考えものですね。人員を増やすことが日本調剤の課題でしょうか。
残業は多い?
日本調剤の残業について調査していると、次のような声が見つかりました。
医療事務はそこまで残業はないものと思います。ただ、八時間を超えて営業している店舗に配属されると、人員次第では毎日残業扱いで営業時間に合わせたシフトになる場合もあります。薬剤師はそこそこ残っています。
一部引用:カイシャの評判
薬剤師は店舗によるがほとんど毎日残業している。残業しないで済んでるのは新人で配属されて3ヶ月の間ぐらいしかないと思う。多い人は月60時間超えとか…最近は40時間超えないように!とうるさい。ならもっと人をいれて負担を減らしてほしい。
一部引用:カイシャの評判
店舗によっては、どうしても残業が発生してしまうようです。残業代で給料を上げたい方には良いかもしれませんが、プライベートを重視したい方からすると残業が多いと感じてしまうことでしょう。
退勤処理をしてしまえば、パソコンにログインすることは出来ない。薬歴を書いたり、調剤したりが出来なくなる。サービス残業を防いでいるのだと思う。
引用:カイシャの評判
ただし上記の口コミのように退勤処理をすると薬歴の記入や調剤ができなくなるので、サビ残が発生することはまずありません。
日本調剤へ転職したいならファルマスタッフに登録
冒頭でも少しお話をしましたが、日本調剤は薬剤師専門の転職サイトであるファルマスタッフも運営しています。
日本調剤が運営している転職サイトなだけあって、日本調剤の求人が多いことはもちろん他の調剤薬局の求人も多いです。
少しでも日本調剤が気になる方は、ぜひファルマスタッフに登録しておきましょう。
ファルマスタッフに登録してみよう!
詳しくファルマスタッフの口コミ・評判が分かる!19年の実績・母体が日本調剤という安心感。調剤薬局へ転職したい薬剤師におすすめの理由
まとめ
日本調剤は47都道府県に店舗を広げる、非常に規模の大きいチェーンの調剤薬局です。全国展開しているため、希望の土地で働くことができます。
ボーナスが平均5.62か月と通常の調剤薬局と比べると多いこと、福利厚生や研修制度が充実していることが特徴です。
日本調剤は充実した研修制度や毎年昇給があることが評判である一方で、店舗によっては人手がたりず忙しいところもある様子。
日本調剤が気になる方は、日本調剤が運営するファルマスタッフを利用して職場を探すと働きやすい店舗を見つけやすいでしょう。