転職やライフスタイルの変化などにより、時に今の職場を退職する必要があります。
薬剤師は横のつながりが強く業界自体も狭いので、今の会社を退職する場合にも、円満な退職を目指すことが必要です。
そこでこの記事では、薬剤師のスムーズな退職方法や、その際に必要な退職届について、くわしく解説していきます。
そのまま利用できる退職届のテンプレートもあわせてご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
薬局薬剤師
この記事の目次
薬剤師は退職届(辞職届)、そもそも必要?
退職の意思をあらわすためには退職届を提出することが慣例となっていますが、薬剤師の世界でも退職届は必要なのでしょうか。
ここでは、退職届が必要な職場と不要な職場を、それぞれみていきましょう。
退職届が必要な職場
次に該当するような職場では、退職届を提出することが必要です。
- 大手チェーン調剤など人事担当部署が分かれている
- 人間関係のもつれなど円満退職でない
- 人手不足などで引き留められる可能性がある
規模の大きい会社では、退職の意思を確実に伝えるために、退職届を提出することがオススメです。
また円満退職でない場合や引き留められる可能性がある場合にも、確実な退職を目指すために、退職届を活用しましょう。
退職届が不要な職場
繰り返しになりますが、退職するにあたって退職届を提出することは、法律上定められていません。
次に該当するような職場では、退職届は不要といえるでしょう。
- 個人薬局など経営者が近い
- 話し合いによって円満に退職ができる
- 出産や転勤による期限の定められた退職である
経営者に直接話ができる場合や円満退職が可能な場合には、必ずしも退職届が必要なわけではありません。
ただしより確実な退職を目指す場合には、退職届を提出することがオススメです。
後述のポイントを参考にして、円満退職を目指しましょう。
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薬剤師が使える退職届のテンプレート・雛形
退職届では、あくまでも儀礼的に会社に対して提出するものであるため、決まったフォーマットが存在しています。
内容に趣向を凝らす必要はないので、こちらで紹介する退職届のテンプレートをそのまま利用しても問題ありません。
退職届
令和〇〇年〇月〇〇日
株式会社△△
代表取締役社長 △△ △△様
□□薬局□□店
×× ××(印)
私事
このたび一身上の都合により、来たる令和〇〇年〇月〇〇日を持ちまして退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
以上
また退職届を提出する際には、白い封筒(郵便番号の記入欄がないものが望ましい)を用いて、中央に大きく「退職届」と明記します。
裏面に所属と氏名を記載することも、忘れないようにしましょう。
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退職届が不要な薬剤師がすべきこと
前述のとおり、退職届の提出に法律上の決まりはありません。
ここでは、退職届が不要である場合のポイントについて、解説していきます。
退職の意図をどう伝えるか
労使間で退職の協議が問題なくすすめば、退職届は必ずしも必要ではありません。
退職届を提出しない場合には、退職の意図を書面以外の方法で伝える必要があります。
一般的な方法としては、直属の上司に口頭で退職の意思を伝えることがあります。
上司にアポイントをとり、「〇〇という理由で退職したいと考えています」と、正直に理由を伝えましょう。
上司が本社などの遠くにいる場合には、社内メールや電話を用いて連絡することも問題ありません。
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伝えた日付、合意した日付が残るようにしておく(口頭だけの伝達には注意)
退職届を用いない場合でも、伝えた日付や合意した日付は、記録に残るようにしておきましょう。
個人の記録では効力が弱いため、社内メールなどで退職のやりとりが残るようにするなど、第三者からも確認できる方法がオススメです。
退職時のトラブルを回避するために、退職承諾の書類を発行してもらうという方法もありますね。
あくまでも最終手段ですが、揉めそうな雰囲気がある場合は、退職のやりとりをボイスレコーダーやスマートフォンで録音しておくことで、いざというときに証拠とすることも可能です。
少しでも不安を覚える場合には退職届の提出を
退職届を用いずに話し合いによって円満退職を行えれば、書類作成の手間もかからず理想的といえます。
しかし円満退職と思っていたのに、退職期日が近づいたらトラブルになってしまったというケースも珍しくありません。
「退職届を提出していないから退職を認めない」と、口約束を反故にされてしまう可能性もありますね。
少しでも不安を覚える場合には、あとからでも退職届を提出することがオススメです。
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薬剤師が退職理由を伝えるときに注意すべきこと
どのような方法で退職の意思を伝えるにしても、必ず「退職理由」を添える必要があります。こちらからとくに退職理由を伝えなかったとしても、ほぼ間違いなく相手から「なんで退職するの?」と聞かれることでしょう。
この退職理由の伝え方1つでも、退職がスムーズに進むかどうかが変わります。伝える内容、そして伝え方にも気をつけましょう。
たとえ事実であっても愚痴は言わない
仕事をしていると、どうしても職場にたいしての鬱憤がたまってしまいがちです。残業代がつかない、上司と合わない、給料が低いなど思うところはいろいろとあるかもしれませんが、会社への不満を退職理由として伝えるのはオススメできません。
印象が悪くなるというのが一番の理由ですが、不満を伝えると「残業代をつけていいから」「昇給の話が出ているから」と相手から改善案を出されてしまう可能性があるのです。
うまく言いくるめられて退職できない状況にもっていかれる可能性があるので、不満を退職理由として伝えるのは避けましょう。
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スキルアップを理由にするのが無難
幸いにも薬剤師は、働く職場によって学べることがまったく違います。そのため「今の職場にいたら学べないことを学びたい」という差し支えのない理由を退職理由として伝えることが可能です。
たとえば「違う科目の処方箋も扱いたい」「認定薬剤師の資格を取りたい」「調剤も経験してみたい」などが挙げられます。
自身のスキルアップを目的とした転職は、むしろ周りから応援されることのほうが多いため、転職理由としてはもっとも適切です。たとえ他に転職理由があったとしても、スキルアップしたいという気持ちを理由として伝えることで、円満に退職を進められます。
薬剤師がスムーズに退職するために
退職をおこなう際に、誰しもが円満退職をしたいと考えます。
ここでは、スムーズな退職に近づくためのポイントを解説していきます。
「退職願」と「退職届」をうまく使い分けよう
退職の意思を伝えるための書類には、大きく分けて「退職願」と「退職届」の2つがあります。
これらに法律的な規定はありませんが、一般常識としてこれらの使い分けは非常に重要です。
「退職願」は、会社に退職の許可を求める書類のことをあらわします。
会社から承認を受けて退職をおこなうため、円満退職につながりやすいですが、退職日を先延ばしにされるというリスクもあります。
「退職届」は、退職する意思を明確にする書類のことをあらわします。
会社の承認などは関係なく、明確な期日を提示して退職の意思を示すため確実に退職をおこなえますが、自分勝手と判断され円満退職から遠ざかってしまうリスクもあります。
退職までのいきさつや置かれている状況を考慮して、これらを使い分けるようにしましょう。
やめる時期・タイミングや引き継ぎのコツ
円満な退職を目指すためには、やめる時期が非常に重要です。
法律上は2週間前に退職の意思を伝えることで退職が認められますが、急な退職は周りのスタッフに迷惑がかかるため、少なくとも1~2か月前に退職の意思を伝えるようにしましょう。
引継ぎについては、あとから言った言わないのトラブルのなるおそれがあるため、口頭だけでなく書類に残しておくことがポイントです。
また冬場などの繁忙期を終えてから落ち着いている時期に退職をおこなうことで、職場の理解を得られやすいということもありますね。
退職の時期についてはコチラの記事でくわしく解説しているので、ぜひとも確認してみてください。
薬剤師の転職・退職(辞める)おすすめの時期、タイミングは?今すぐ辞めたい!?でもちょっと待って。職場の人間関係や仕事に波風立てずにうまく引き継ぎする方法まで徹底解説!
まずは上司に相談してみる
いきなり「◯◯月に辞めたいのですが…」と話を持ちかけるのももちろんよいですが、「ちょっと相談したいことがあるのですが…」と、まずは相談から入ってみるのも1つの手です。
いきなり辞める前提で断定の形から入ると、上司も受け入れにくいことがあるんですね。上司の性格に合わせて使い分けてみてください。
ボーナスを貰うタイミングで退職するのもあり
よっぽど今の職場に不満がない限り、ボーナスを貰った月の月末で退職する薬剤師が多いです。6月や7月、12月に辞める方をこれまで実際に何人も見かけました。
「貰えるものは貰っておこう」と考える方がとても多いんですね。だから「ボーナスを貰って辞めるのは失礼かな?と心配する必要はありません。
むしろボーナスというよい区切りができるので、辞めやすいかと思います。
辞めると伝えると、必ずといっていいほど「人手不足だからもう少しいてほしい」というようなことを言われるのですが、とくに中途半端な時期に辞めようとすると引き止められる確率が上がってしまうものです。
そのためボーナスを貰うまで、年末までというようにちょうどよい区切りで退職したいと伝えると、スムーズに進みます。
繁忙期に退職の相談をするのは避けたほうが無難
辞めたい時期が忙しいかも重要ですが、退職したいと伝えたその瞬間が忙しい時期であるかどうかも大切です。
忙しくてバタバタしている時期に退職の旨を伝えると、退職したい時期にかかわらず「人がたりないから」と言われ一蹴される事態になってしまいます。
バタバタした日常から少し離れている段階で伝えたほうが、退職を受け入れてもらいやすくなります。
最悪、退職代行という最終手段もあると思えば少しは気が楽になる?
ここまでご紹介したとおり、退職に際しては円満退職を目指すことが第一ですが、職場によっては必ずしもうまくいくとは限りません。
辞める旨を上司に相談しても話を流されてしまったり、「人がいないから」と断られてしまったりすることもありますね。
中には弱みを握られたり、脅迫まがいのことをされてしまうということも、ありえない話ではありません。
そんなときには諦めるのではなく、「退職代行」という最終手段を用いることも検討しましょう。
退職代行については以下の記事でくわしく解説しているので、気になる方は確認してみてください。
薬剤師も退職代行を使って大丈夫!引き止めで退職できない方・トラブルが怖い方こそオススメです。業者・法律についても調べました!
まとめ
この記事では、薬剤師のスムーズな退職方法や、その際に必要な退職届について、解説していきました。
転職を考える際には、ついつい新しい職場のことを考えてしまいがちですが、現在の職場を円満に退職することも重要です。
退職届はフォーマットが決まっており、作成するための労力はそれほど大きくありません。
後々のトラブルを回避するためにも、この記事を参考にして退職届を作成し、提出することをオススメします。
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