20代の薬剤師は貴重な存在です。浪人も留年もせずにストレートで薬剤師になったとしても24歳スタートであるため、長くても5年間しか20代の薬剤師として働けません。
この5年間がもっともアクティブで自由な時期であることを自覚できている方はどれくらいいるでしょうか。20代をどう過ごすか、ここで感じたことを30代、40代にどう活かすかが将来を大きく左右します。
20代薬剤師が今のうちにやるべきこと、考えるべきことを今回は確認してみましょう。
薬局薬剤師
※主観もありますが、少しでも参考になる意見があれば幸いです^^
この記事の目次
もっとも自由で柔軟に変化しながら働けるのが20代の特徴
20代の薬剤師は存在も貴重ですが、20代薬剤師として過ごしている今この時間も非常に貴重です。それはなぜでしょうか。
- お金を比較的自由に使える
- 長い薬剤師生活の中でもっとも体力がある時期
- 大きな病気もせず健康体である
20代だと、まだ結婚していない方も多いのではないでしょうか。
子供が生まれると何かとお金が必要になるため、自由にお金を使えるのは20代のうちと言っても大げさではありません。30代、40代と年を重ねるにつれて体力も衰えて、病気もしやすくなります。
そうなると後からしようと思っていたことが、時間が経つにつれて金銭面や体力、健康面から考えて難しくなってしまうのです。
もっともアクティブに、能動的に、そして自由に何事にもチャレンジできるのが20代薬剤師の特権だと言えます。
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20代薬剤師は自分が本当にやりたいことを再確認する時期でもある
漠然とした薬剤師のイメージに向かって走っていた学生時代とは違い、20代薬剤師はリアルな現場を肌で大きく感じられる時期です。
実際に働いてみて「思っていたのと違ったな」、「自分がやりたいことはこれではない」と気がついた方もいるかと思います。
その気付きをそっと胸の奥に秘めておくのか、それとも自分の気持ちへ素直になって新しい出会いを探すのか。どちらを選ぶかによってこの先の薬剤師人生が大きく変わります。
「本当にやりたいこと」を、一度じっくりと考えてみてください。
将来を見据えてキャリアプランをたてよう
「あれやりたいな」、「これやりたいな」と散らばった思いをまとめて、理想に近い自分の姿をリアルに想像してみましょう。その姿に近づくためには今、何をするべきか考えなければなりません。
やりたいことを明確にする
ここまで薬剤師として働いてきて、本当にやりたいことはできましたか?
- 病院で働いてみたいけど、給料が安いから諦めている
- 病棟業務にもっと時間をかけたい
- 今のうちに海外旅行へ行きたいけどまだ行けていない
- 20代のうちに奨学金を返し終わりたい
仕事のこと、プライベートのこと、何でも構いません。やりたいことを素直にリストアップしましょう。今回はわかりやすいように、上記4つのリストを例に話を進めていきます。
このまま働き続けてやりたいことができるのか考える
さきほどリストアップしたことは、今の職場で働いていても実現できますか?
- 調剤薬局やドラッグストアで働いている方は、転職しない限り病院では働けません
- もっと病棟に出たいのなら、病院のシフト体制を変えるか他の病院へ転職する必要があるでしょう
- 海外旅行に行きたいのならお金を貯めないといけませんし、長期休暇が取れる環境も必要です
- 奨学金を20代で返し終わりたいなら、相当な金額を稼がないといけません
どうでしょうか。もし実現できそうにないのなら、働き方を変える選択肢も必要かもしれません。
理想のキャリアプランが実現可能な職場を探す
今の職場でキャリアプランを実現できそうにないのなら、実現できるようなルートに自分で軌道修正しましょう。そのまま働き続けても何も変わりません。
病院で働きたいけど諦めているのなら
病院薬剤師の給料はたしかに低い方です。年収400万円にも満たないところが普通にあります。
筆者の周りにも「最先端の医療を病院で学ぶ!」と意気揚々と働き始めたものの、あまりに年収が低いために生活に余裕がなくなり、あっけなく転職してしまった方がいます。
しかし中には新卒として病院で働き始めたのに、年収500万円を超えていた知り合いもいました。年収の高い病院を探してみると意外と見つかるかもしれません。
また派遣薬剤師として病院で働くのもよいでしょう。以下の求人を見てみてください。
参考:ファルマスタッフ 2020年6月時点
病院でも派遣薬剤師の求人は出ています。
こちらは最高時給3,200円なので、フルタイムで働けば月収51万2,000円、年収614万円です。派遣も視野に入れると病院でも十分な給料を貰えるでしょう。
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詳しく【徹底解説】派遣薬剤師の転職でおすすめ派遣会社・時給相場・メリット・デメリットなどまとめました!
病棟業務にもっと時間をかけたい
病院勤務だと処方箋の枚数があまりに多い場合は、調剤で手一杯になりなかなか病棟まで足を運ぶ時間がありません。ゆっくりと患者さんとお話ができる環境で働いている方の方が少ないでしょう。
このようなときは、1日の仕事の流れを思い切って変えてしまうのもよいかもしれません。あえて朝早くに病棟を回るようにすることで、病棟業務の時間確保に成功した病院もあります。
流れを変えるのが難しい場合は、病棟業務に力を入れているところへ転職を考えるのもよいでしょう。
今のうちに海外旅行へ行きたい
海外旅行は家族が増えると途端に行きづらくなります。ヨーロッパやアメリカなど飛行機で12時間以上かかるような場所は、できるだけ今のうちに行っておきたいですよね。
海外へ行くためにはお金と時間が必要です。どちらかというと連休を取ることの方が難しいと思います。
有給休暇を使って7連休を取得して海外に行くのがもっとも現実的でしょう。
連休を取得できる企業に転職する、もしくは思い切って退職した後に海外を楽しむなどの方法を考えてみましょう。
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20代のうちに奨学金を返し終わりたい
たったの3年で1,000万円以上の奨学金をすべて返済した薬剤師は、派遣薬剤師として全国を飛び回って働いていました。
場所を選ばず、とにかくたくさん稼ぐためにすべてを仕事に捧げたのです。普通に正社員として働いていては絶対に返済しきれませんので、早く奨学金を返したい方は派遣薬剤師の道を選ぶのがもっともオススメです。
参考:ファルマスタッフ 2020年6月時点
最大時給の4,500円でフルタイム勤務したとすると、月収72万円、年収は864万円です。この求人の場合は住居の相談もできるようなので、かなりお金を貯めることができるのではないでしょうか。
これくらいよい条件で働ければ、20代ですべての奨学金を返済することも夢ではないですね。
キャリアアップの将来が20代後半で決まってしまうって本当?
活動的に動きやすい20代は、キャリアアップをしていくためにも適当な時期です。
よく「30代になってからでは遅い」、「若いうちにやりたいことをやるべき」など言われることがありますが、これは本当でしょうか。
調剤薬局やドラッグストアは、比較的いくつになっても挑戦しやすい職場です。
30代後半でOTC専門のドラッグストアから調剤薬局に転職した方もいますし、60歳を過ぎてからドラッグストアで働き始めた方もいます。年齢関係なく自分のキャリアアップは可能です。
しかし年齢を重ねるにつれて病院や企業への転職は難しくなります。そのため病院や企業でキャリアアップしたい方は20代のうちにアクションを起こすべきでしょう。
キャリアプランを実現できる職場に転職するコツ
自分のやりたいことを実現するためには、うまく自分の目指す道を歩める職場を探すことが大切です。しかし求人に書かれている内容だけを見ても、企業の本質を掴むことはできません。
管理職を目指せる職場を探してみる
今後のキャリアプランと言われてまず思うかべるのが「管理薬剤師」や「エリアマネージャー」「店長」などでしょう。実は職場によってこれらの役職への就きやすさが大きく違います。
入れ替わりが激しく、すぐに人事異動があるような店舗なら割とすぐに管理薬剤師やエリアマネージャーなどになれますが、何十年も同じ人が同じ役職に就き続けているところだとなかなか難しいものがあります。
すぐに役職を与えてくれる職場は、求人に「管理薬剤師候補」など書いてあるので、狙っている方はそういった求人を探してみると良いですね。
スキルアップを怠らない
やりたいことを突き進められる薬剤師になるためには、スキルアップも大切です。スキルがあるかないかで任せられる仕事も変わってきますし、最終的には年収にも響いてきます。
認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得を目指すうちにやりたいこと、もっと勉強したいことが見つかるケースもあるので、貪欲に学ぶ姿勢は大切にしていきたいものです。
転職先なんてすぐに見つかると過信しすぎない
20代だと転職は比較的、簡単です。どこの職種でもまだチャレンジできる年齢であるため、キャリアプランに向けて転職に歩みだすよいタイミングだと言えます。
しかし簡単にできるからといって、転職を甘く見ていると失敗につながるので注意してください。求人先の情報についてよく調べないまま転職すると、思い描いていたキャリアプランから外れてしまう可能性があります。
転職に失敗すると、また新しい職場を求めて転職しなければなりません。
いくら売り手市場である薬剤師とはいえ、繰り返しの転職は将来の自分の首をしめてしまうでしょう。
正社員にこだわりすぎない
おそらく新卒で就活をしているときは、ほとんどの方が正社員としての働き口を探していたかと思います。
就活のときは薬剤師の働き方についての情報が少ないので、むしろ正社員以外の働き方を考えるタイミングもなかったかもしれません。
薬剤師の働き方はなにも正社員だけではありません。派遣やパートといった働き方もあります。
とくに派遣は、うまく使いこなすことで自分がやりたいと思っていることを実現させられる素敵な働き方です。
自分が思い描く道を実現するにはどのような働き方がベストなのか、一度ゆっくりと考えてみてください。
派遣・パートで薬剤師をやるメリット&趣味や特技を生かして兼業する新しい働き方とその豊かさを、実際にやっている人に聞いてみた!【インタビュー!】
現場のリアルな情報を収集する
求人には書かれていないようなリアルな現場の情報を掴まずして転職すると、キャリアプランからはずれた道に足を進めてしまう可能性が高まります。
そのため転職する際はとにかく情報を集めるようにしてください。実際に勤務している方のスケジュールや有給の取得率は、求人情報だけではわかりません。
現場の情報を掴むには転職エージェントを利用するのがもっとも効率的です。エージェントを活用すれば、実際に求人先へ足を運んで職場の状況を見てもらうこともできますので、ぜひ活用しましょう。
「こんなことをやりたいのだけど、自分にピッタリの求人はある?」といった相談も可能ですよ。
まずはこの3社に登録すれば、情報量は十分です!
登録後は、自分の働き方や悩みを理解してくれて、必要な情報を与えてくれるエージェント・担当者を探しましょう^^
※無資格者の方はご登録いただけませんまとめ
20代は身動きがしやすく、自由に使える時間も多い時期です。この時期にどれだけ行動を起こせるかが将来の自分を大きく変えます。
もしも今の職場でやりたいことができていないのであれば、20代のうちにぜひ挑戦していきましょう。
転職エージェントのサービスを活用すればキャリアプランを実現しやすい職場を見つけられますよ。アクティブな20代薬剤師を楽しみましょう。