「おすすめのお薬手帳アプリはどれ?」
「アプリがたくさんありすぎて、どれが良いのか分からない」
お薬手帳は、紙で管理するのがまだまだ主流ですが、近頃ではアプリもたくさん出てきました。しかし、いざアプリをインストールしようとすると、あまりにたくさんの種類があって迷ってしまいます。
そこでここでは、現役の薬剤師がオススメのアプリをピックアップしてみました。それぞれ特徴やアプリでできることを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
薬局薬剤師
お薬手帳とは?
お薬手帳という名前は知っているけれど、目的や使い方など詳しくは知らないという方は意外と多いと思います。
まずは、お薬手帳を知ることからスタートしましょう。
お薬手帳は患者さんが携帯するもの
お薬手帳は薬剤師や医師など医療従事者が持つのではなく、患者さんが持ちます。
- 患者さん:薬剤師にお薬手帳を提示する
- 薬剤師や医師:提示されたお薬手帳から履歴を参照する
基本的には、薬局で処方せんと一緒にお薬手帳を受付で渡します。お薬手帳があることで、どこの医療機関から何の薬を貰っているのかがお薬手帳で分かるため、処方されたお薬とこれまで飲んでいたお薬との飲み合わせがチェックできるのです。
薬局薬剤師
お薬手帳を持つことは義務なの?
- 患者さん:今服用している薬がわからないといったケースが少なくなる
- 薬剤師や医師:過去の履歴からベストな判断をしやすくなる
1993年、別々の病院から「抗ウイルス剤」と「抗がん剤」の処方を受けていた患者さんが、重篤な副作用によって亡くなられた事件がお薬手帳を導入するきっかけだとされています。
お薬手帳を持つことは義務ではないけれど、これを持っていることで重大な処方ミスを減らすことにつながるという考え方が根底にあります。
お薬手帳を持つメリット
調剤薬局に処方箋を出すと、必ず薬剤師が「お薬手帳はお持ちですか?」と尋ねます。なぜならお薬手帳があることで、しっかりと服用状況を把握できるからです。
- 他院で貰っているお薬との飲みわせをチェックしてもらえる
- 同じような効き目のお薬が複数出ていないかをチェックしてもらえる
- 副作用歴を薬剤師に把握してもらえる
- 災害時でも服用しているお薬を間違いなく把握してもらえる
高齢者の方はとくに複数の病院にかかっていることが多いです。すると別々の病院から飲み合わせの悪い薬が処方されていることも少なくありません。
飲み合わせやお薬の重複リスクをへらす
お薬手帳があればすべての病院で処方されたお薬を確認できるので、悪い飲みわせで服用してしまうリスクを減らせます。
またいくつもの病院を回って向精神薬やヒルドイドを手に入れようとする方もいるので、そういった危ないお薬の使い方や、間違った使い方をする方を減らす効果も期待できるでしょう。
災害時に服用薬を確認するのにも役立つ
災害時にもお薬手帳はとても役に立ちます。いつも使っているお薬を貰える状況ではなくなったとき、お薬手帳さえあれば何を飲んでいるのかを医師や薬剤師が判断し、服用しているのと同じお薬、もしくは近いお薬を処方してもらうことができるのです。
「血圧の薬を飲んでいたんだけど」と言われても、お薬の種類は非常に多いので、これだけでの情報では飲んでいたお薬を特定できません。お薬手帳は日頃の健康管理、そして万が一のときの助っ人として活躍してくれるアイテムです。
お薬手帳の使い方
- 紙のお薬手帳:手書きで記録していく
- アプリ:QRコードで読み取りや手入力
たとえば、調剤薬局へ行った場合、お薬手帳を薬剤師に提示といった具合です。その後、薬剤師は過去の履歴をもとに調剤や服薬指導を行ってくれます。
お薬手帳を使っていく中でもっとも大事なのが「データの記録」です。処方された薬や通院した病院など、その状況をしっかり記録していかなければお薬手帳は機能しません。
そのため、お薬手帳アプリは使い勝手が良くないと継続して使うことが面倒に感じてしまうことでしょう。
お薬手帳はどこでもらえるの?
- 紙のお薬手帳:調剤薬局や病院など
- アプリ:お薬手帳アプリを自分でインストール
紙のお薬手帳は領収書や保険証を収納できるなど、さまざまなタイプがあります。しかし、手動で管理していく必要があるため、とくに若年層にとっては紙のお薬手帳は使いにくいと思う方が多いかもしれません。
アプリのお薬手帳は携帯電話で管理できるので楽ですが、高齢者にとっては使いこなすことが難しいケースもあり、それが1つの課題ともされています。
お薬手帳は1冊にまとめよう!
お薬手帳は「調剤薬局ごとに1冊」という持ち方ではなく、複 数の病院や調剤薬局を利用する場合でも1冊にまとめましょう。
これはアプリも同じです。
複数のお薬手帳を持ってしまうと情報がそれぞれに細分化されてしまい、本来の意義や目的というのが失われてしまうことがあります。
お薬手帳は「紙」と「アプリ」のどちらがオススメ?
紙とアプリのお薬手帳、どちらがオススメとは一概に言えません。
スマートフォンが普及した今、アプリのお薬手帳を使うメリットが増えてきました。
紙のお薬手帳だとうっかり持ってくるのを忘れてしまう方が少なくありません。しかしスマートフォンなら多くの方が外出時に持ち歩いているので、忘れるリスクを減らせます。
ところがスマートフォンの充電が切れるとアプリが使用できなくなるため、アプリのお薬手帳のほうが優れているとも言えないのが現状です。
アプリによっては動作が安定しないので、お薬の記録がスムーズにできないこともあるでしょう。また高齢の方だとスマートフォンを持っていない方も多く、そもそもアプリを使えないケースもあります。
紙がオススメ、アプリがオススメとはなかなか言えないので、使いやすいほうを選ぶと良いでしょう。
薬局薬剤師
【2021年】お薬手帳のオススメアプリ10選!
- iPhone:Appストアで入手可能
- Android:Google Payで入手可能
お持ちの端末から便利なお薬手帳アプリを探してみてくださいね。
日薬eお薬手帳
eお薬手帳は日本薬剤師協会がリリースしているアプリです。
「eお薬手帳・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- 定番お薬手帳アプリ
- 対応している薬局はまだ少ない
- シンプルな使い勝手で、はじめてお薬手帳アプリを使う方でも使いやすい
内容
引用元:Appストア
eお薬手帳は「QRコード機能」があります。
公式サイトで詳細を確認できますが、「厚生労働省・第4回高齢者医薬品適正使用検討会」において「資料2(PDF)・電子版お薬手帳の現状と課題」でも電子版お薬手帳の題材として紹介されています。
また、電子版お薬手帳の現状と課題では「お薬手帳の意義」などについても詳しく解説されており、はじめての方にとってeお薬手帳は選びやすいアプリだと思います。
薬局薬剤師
お薬手帳Link
お薬手帳LinkはNTTドコモのアプリです。
「お薬手帳Link・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- 定期的にアンケートの通知が来るので気になる人は気になる
- 項目がシンプルで使いやすい
- アラーム機能で飲み忘れ防止にも
内容
引用元:Appストア
お薬手帳Linkも「QRコード機能」があります。
薬の飲み忘れ防止のためにアラーム機能が付いているなど、使いやすさが工夫されているアプリです。
EPARKお薬手帳
EPARKお薬手帳はフリービットEPARKヘルスケアのアプリです。
「EPARKお薬手帳・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- 医療情報はそこまで多くない
- 加入している薬局で使えるクーポンが手に入る(ティッシュプレゼントなど)
- 指定の調剤薬局でお薬の調剤を予約できる
内容
引用元:APPストア
EPARKお薬手帳も「QRコード機能」があります。
全国8,000店舗に対応している調剤予約機能を使うと、薬局で待ち時間なくお薬を受け取ることができます。
お薬手帳プラス
お薬手帳プラスは日本調剤のアプリです。
「お薬手帳プラス・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- 大手調剤薬局の日本調剤がリリースしているアプリ
- 日本調剤と提携している薬局で使用可能
- BMIや歩数などの管理もできる
内容
引用元:APPストア
お薬手帳プラスも「QRコード機能」があります。
カレンダーやアラームなどスタンダードな機能が搭載されており、処方箋の画像を送信するだけでスムーズにお薬を受け取れる機能まであります。
豊富な機能をあれこれ使ってみたいという方にオススメです。
詳しくファルマスタッフの口コミ・評判が分かる!19年の実績・母体が日本調剤という安心感。調剤薬局へ転職したい薬剤師におすすめの理由
ポケットファーマシー
ポケットファーマシーはポケットファーマシー株式会社のアプリです。
「ポケットファーマシー・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- QRコードの読み取りがうまくいかないことがある
- 加盟店でもQRコードが明細についていない場合がある
- 調剤の予約ができる
内容
引用元:APPストア
ポケットファーマシーも「QRコード機能」があります。
他には、検診結果の記録やアラーム機能など、こちらも関連機能がいくつか搭載されています。
ココカラファインお薬手帳
ココカラファインお薬手帳はココカラファインのアプリです。
「ココカラファインお薬手帳・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- dアカウントの登録が必要
- 市販薬の登録も可能
- 自分の分だけでなく家族のお薬も管理できる
内容
引用元:APPストア
ココカラファインお薬手帳も「QRコード機能」があります。
このアプリも待ち時間なしでお薬を受け取れる機能があるので、待ち時間を減らしたいという方はチェックしてみてくださいね。
お薬ノート
お薬ノートはカラダノートのアプリです。
「お薬ノート・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- QRコードで読み取る機能がない
- 薬の情報は手入力の必要あり
- 自分で薬の情報を入力するので、薬への関心を持つきっかけになる
内容
引用元:APPストア
お薬ノートは「QRコード機能」がありません。
基本的に手入力か写真でデータを記録していくことになるので、紙のお薬手帳に近い感覚で使えることがメリットでしょうか。
その他はカレンダーや服用チェックなどスタンダードな機能が備わっているので、全体的に機能性が乏しいわけではありません。
CARADAお薬手帳
CARADAお薬手帳はエムティーアイのアプリです。
「CARADAお薬手帳・公式サイト」から、AppleストアとGoogle Playのそれぞれダウンロード先を見つけられます。
特徴
- 歩数や体重、食事管理ができる
- 家族分のお薬も管理できる
- 「家庭の医学」をアプリ内で見られる
内容
引用元:APPストア
CARADAお薬手帳は「QRコード機能」があります。
その他、写真でもデータを登録することができますし、全体的に簡単に使えることをテーマにしているアプリです。
お薬手帳
お薬手帳は薬剤師さんが作ったアプリです。
公式サイトは存在せず、Google Play(Android版)は見当たりません。
※現在はダウンロードできなくなっているようです。
特徴
- QR読み取り機能なし
- Android非対応
- お薬手帳の内容を写真で撮って管理するアプリ
内容
引用元:APPストア
お薬手帳は「QRコード機能」がありません。
基本的に写真撮影で画像データを保存していくことになるので、QRコード機能を使いたい場合は他のアプリがオススメです。
スマホアプリはiOS(Apple)とAndroidのいずれかに限らず、大手会社がリリースしているアプリがあればそうではないアプリもあります。
このアプリは「お薬手帳」という名称からして選ぶ方が多そうですが、大手アプリに比べると機能性がやや劣る印象です。
harmo(ハルモ)
harmoは薬局と患者さんとで情報の共有ができるサービスです。
「電子お薬手帳 harmo・公式サイト」からAppleストアとGoogle Playの両方からダウンロードできます。
特徴
- 家族全員分のデータを保存できる
- カード申し込みをすればスマートフォンがなくても利用できる
- QRコードの読み取り制度があまりよくない
内容
引用元:APPストア
harmoの加盟店でお手続きをすれば、カード会員になることができます。近くに加盟店がない場合はスマホアプリで登録できるライト会員となります。
カード会員になると、スマートフォンをお持ちでない方もサービスを利用できるのが特徴です。
薬剤師もお薬手帳のアプリに対する関心を高めよう!
今回は、患者さん目線からお薬手帳のアプリを紹介しましたが、薬剤師にとってもある程度はお薬手帳アプリに詳しい方が仕事をしやすいと思います。
患者さんにアプリの操作方法等を説明する機会は少なくないと思いますし、アプリによって操作や機能が異なることが説明を難しくさせている現状がありますね。
時間のある時に、患者さんによく尋ねられるアプリを中心に操作等を確認しておくとスムーズですよ。