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薬剤師にとってホワイトで楽な職場とは?職場環境・勤務形態・雇用条件・福利厚生など、実際に多くの職場を見てきた薬剤師が考えてみた

薬剤師が気持ちよく働ける職場

職場を探すとき、あなたはどのようなポイントを重視していますか?

年収が高い」「家から近い」「人間関係がいい」など、さまざまな理由がありますね。たしかに、これらはどれも重要であり、無視することはできません。

しかし、これらの条件ばかりに目を向けてしまうと、気がつかないうちにブラックな職場に就職してしまっているということもありえます。

いくら目先の条件が良くても、ブラックな職場では長く働き続けることは、難しいでしょう。気持ちよく働ける職場でなくてはなりません。

そこでここでは、気持ち良く働ける職場を見つけるポイントを、実際に多くの職場を見てきた薬剤師が、徹底的に解説していきます。

薬局薬剤師

5つの異なる雇用形態・勤務条件の職場で勤務してきた私の体験を交えてご紹介していきます!

薬剤師が気持ちよく働ける職場とは?


薬剤師が職場を選ぶ時には、気持ちよく働けることが大切です。しかし、気持ちよく働くというと、少しあいまいな表現になってしまいますよね。

具体的にはどのような職場をあらわしているのでしょうか。ポイントを解説していきます。

楽なだけの職場ではない

まず大切なのは、楽な職場=気持ちよく働ける職場ではないということです。

たしかに、楽な職場は肉体的・精神的にも負担が少ないので、短期的に考るならば気持ちよく働くことができるでしょう。

暇・退屈

しかし、長期的なキャリアを考えた場合には、ただ楽なだけの職場で働き続けることは、考えものです。

まわりの同世代の薬剤師さんは経験やキャリアを積んでいろいろな知識があるのに、自分だけ楽をしてきたために何もできない…ということになりかねません。

適切な時期に必要な経験を積ませてくれる、そんな職場を見つけるようにしましょう。

楽なのに辞めたいと思った職場
こんな話が実際にありました。あまりにも患者数が少なくて1日に10枚も処方箋が来ない薬局に勤めている薬剤師。「どうやって今日も一日暇を潰そう」と悩むほどの職場です。それでいて年収は500万円あるので、はたから見れば楽そうでいいなと思えるでしょう。しかしこの薬剤師はあまりに暇なためこのままでは周りの薬剤師に置いていかれる、暇すぎると言って転職してしまったのです。

薬局薬剤師

これは、楽な職場=良い職場ではないという典型的な例ですね。

薬剤師の暇すぎる職場、価値ある暇つぶしについて考えてみる…

ホワイトな職場

楽なだけの職場ではオススメできませんが、かといって大変な職場がよいというわけでもありません。

忙しすぎてプライベートが犠牲になる」「残業や長時間労働が日常化している」という職場は、確かに社会からは必要とされているかもしれませんが、気持ちよく働ける職場ではありませんよね。

※それでもいいから、誰よりも激務で仕事量をこなし、経験を詰みたい!と考える方が一部あるのも事実ですし、筆者もその働き方を否定はしません。そうやって独立開業を成し遂げた調剤薬局チェーンの社長さんも知っています。

とはいえ、多くの薬剤師さんにとって重要なのは「納得して働くことのできる、ホワイトな職場を見つける」という考え方です。

ホワイトな職場の一例を、次に示します。

  • 働き方にムリがない
  • 労働に見合った給与を受け取ることができる
  • 福利厚生の制度が充実しており、実際に使用することができる
  • 研修・教育などスキルアップの体制が十分に整っている
  • 人間関係がいい
  • コンプライアンスの意識が高い

薬局薬剤師

ムリのない範囲で成長しながら働ける職場を見つけることが、気持ちよく働いていくための秘訣です。

薬剤師のキャリアパス・キャリアアップの道はどれだけ豊かか?

長く勤められる職場

バタバタせずにゆっくりと働ける落ち着いた職場がいいのか、それとも忙しい職場で働きたいのかは人によって希望が異なります。

どちらを選ぶかはその人によりますが、楽な職場にせよ忙しい職場にせよ、長く務められる環境が整っている職場を選ぶことが大切です。

どれだけ自分の希望に合った職場を見つけられるかが、長く同じ職場で働けるかどうかを左右します。

薬局薬剤師

気持ちよく働ける職場の定義は人によって違います。自分ならどういった職場だと働きやすいのかを一度じっくり考えてみてください。

一般に楽だと言われている薬剤師の職場

薬剤師 楽な職場
ここでは忙しすぎず余裕をもって業務にあたれる職場を楽な職場としていくつかご紹介します。もちろんこれから紹介する職場ならどこに転職しても絶対に楽というわけではありません。

地域性や職場の雰囲気によっても楽かそうじゃないかが変わりますので、参考程度にご覧ください。

処方箋が少ない職場

処方箋が少ない職場は楽なことが多いです。次々と処方箋が来ないので慌てることなく、急かされることもなく調剤できます。1人あたりの処方箋枚数が1日~30枚ほどの職場を選ぶと少し余裕が出てくるでしょう。

処方箋40枚につき薬剤師を1人置くように法律では決められています。しかし実際に一日で40枚もの処方箋を調剤するのはなかなか大変です。忙しい時期だと40枚以上調剤することも普通にあります。

薬局薬剤師

求人を探すときは、一日あたりの処方箋枚数と薬剤師の数を確認して1人あたり何枚の処方箋を調剤するのかを確認しておくと楽な職場を見つけやすいでしょう。

OTC専門のドラッグストアで働くパート薬剤師

ドラッグストアも都心部と地方とでは忙しさが全く違いますので、ここでは地方にある広々としたドラッグストアを想像してください。

そこまでお客さんの数が多くないドラッグストアだと、ほとんどがレジ業務です。お薬相談用のレジを担当することもあれば、日用品や食品なども会計する普通のレジを担当することもあります。

店舗によってはちょっとした品出しや陳列の仕事を任されることもあるかもしれません。ただよっぽど混まない限りは淡々とレジ業務をこなしつつ薬の説明をすることになりますので人によっては楽だと感じる職場です。

薬局薬剤師

客数が多いドラッグストア、とくに観光客が多い店舗だとパートでも店内を走り回るほど忙しいです。すべてのドラッグストアが楽というわけではありませんので、店舗選びが非常に重要となります。

1枚あたりの処方箋が軽い職場

たとえば眼科や整形外科の処方箋は調剤に時間がかからないものが多いです。一方で軟膏を練ったり散剤や液剤の調剤が必要な処方箋は長い時間がかかってしまいます。

1枚の処方箋にどれだけ時間がかかるのかも忙しさを左右する大事なポイントです。

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主に扱う処方箋の科目をチェックしておくと安心ですね。

下記の記事で、薬剤師転職におすすめサイトを職種・雇用形態別にランキングしています。

おすすめ薬剤師転職サイトおすすめの16社を徹底比較【最新ランキング】

本当にあった薬剤師のホワイトな職場vsブラックな職場

明らかにブラックな職場
ホワイトな職場で働くことの重要性は、前項でご説明したとおりです。

一方で、従業員が不利益を被ってしまう、「ブラック企業」とよばれるような職場も決して少なくはありません。

ブラックな職場にはどのようなものがあるのか、ご説明していきます。

ブラックな職場の特徴

いくら残業をしても残業代が支給されず、有給休暇もろくに使えない。スキルアップも見込めなく、人間関係も何だかギスギスしている。

そんな職場では、気持ち良く働いていくことは難しいですよね。

次のような条件にあてはまる職場は、ブラックである可能性が考えられます。

  • 長時間労働が日常化している
  • サービス残業をしなくてはならない
  • 有給休暇の消化率が低い
  • 教育制度が無い
  • 人間関係が悪い
  • コンプライアンスの意識が低い

激務だが高給という職場であればブラックな職場とは言い切れません。激務なのに給与が低いといった職場では、注意が必要です。

お互いが納得できる条件であるかどうかが、ブラックな職場を見極めるポイントです。

実際にあったブラック企業

ここでは筆者を含め、周りの薬剤師が経験したブラック企業をいくつかご紹介します。

「もう辞めたい」と嘆いていた薬剤師の多くは「サービス残業」を経験していることが多いです。勤務時間中に書けなかった薬歴を、勤務終了後に残って記録しているケースは多く見かけます。

中には休みの日に薬局に来て、たまっている薬歴を片付けていた知り合いもいましたね。もちろん残業代は出ません。

この他、人員がたりなさすぎてお昼休憩すらまともに取れない職場職場の雰囲気が悪すぎて常にギスギスしている職場などもありました。

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個人的にはサービス残業が多い職場はブラック中のブラックだと思っています。

とくに危険なブラック職場

極めて危険なブラック企業
すべての職場が完全にホワイトということは、残念ながらあり得ません。

現実には多くの薬剤師が不満をかかえながら、折り合いをつけつつ働いています。

しかし、次の条件にあてはまるような職場は、一発レッドカードであり、とくに危険です。

  • 生活に支障をきたすほどの長時間労働を命じられる
  • 残業代や時間外手当が支給されない
  • 育児休暇や年次有給休暇がまったく使えない
  • 離職率が異常に高い
  • パワハラ・セクハラが行われている
  • 無資格調剤や調剤報酬の不正請求を行っている
注意

これらの職場に今まさにお勤めの方は、転職を視野に入れて1日もはやく行動に移すことをオススメします。気持ちよく働けるホワイトな職場を見つける準備を1日でも早くスタートして、逃げ道を作りましょう。

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気持ちよく働ける薬剤師の職場を見極めるためには

気持ちよい職場を探すコツ
気持ちよく働ける職場を望む方は多いですが、実際にはどのようにして見つければいいのでしょうか。

ここでは、複数の職場をみてきた薬剤師の意見をもとに、理想の職場を見つけるコツをご紹介していきます。

好条件にまどわされないようにしよう

年収○○万円以上可能」「土日祝日休みで17時上がり」「有給取得率100%」など、転職サイトから配信されるメールや広告には、びっくりするような好条件が記載されたものもあります。

これらのほとんどは、求職者を誘い出すための看板用の求人です。実際に提案される職場は、すべて希望通りというわけではありません。

もちろん中には掘り出し物の求人もありますが、勤務条件や職場環境が悪すぎるがゆえに、高い条件で提示せざるを得なくなっっているものもあります。

条件がどれほどよくても、ブラックな職場では長く働き続けることができません。好条件の根拠を、しっかりと見極めるようにしましょう。

「週休2日制」の罠に注意

「週休2日制」と書いてあると、多くの方が「週に2日は休める」と思うのではないでしょうか。

多くの職場では「週に2日は休める」ことが多いのですが、なかには「週に2日”分”は休める」となっているところもあります。1日休み×1、半日休み×2で「週休2日制」としているケースもあるのです。

労働時間は「1日休み×2」の場合も「1日休み×1、半日休み×2」の場合も同じですが、半日休みが入るパターンでは通勤にかかる時間が余計にかかります。体もなかなか休まらないため疲れも取りづらくなることが大きなデメリットです。

「週休2日制」と書いてあっても「丸一日きちんと休めるのか?」を確認しましょう。

福利厚生を必ず確認する

求人を見るとき、ついつい年収ばかりに目が行きがちですが、必ず福利厚生も確認しましょう。家賃補助は出るのか、出るのならいくら出るのか、残業代込みの年収になっていないかなど福利厚生にもお金が絡む項目がたくさんあります。

家賃補助が1万円の企業と5万円の企業とでは年収が実質48万円も変わるんですね。

また福利厚生をよく読んでみると、「年収には残業代○時間分が含まれています」と書かれていることもあるので、ここは必ずチェックしておかなければなりません。

その他に育児休暇や有給休暇、社割、社宅、研修やセミナーなど、福利厚生によって働きやすさが変わるので確認しておきましょう。

薬剤師の福利厚生には何がある?派遣・パートの福利厚生事情や保険・休暇以外の事例を解説!

気になることはガンガン質問する

理想と実際とのミスマッチが大きければ大きいほど、長く務められる職場からは遠ざかってしまいます。自分が理想とする職場を見つけるためには、とにかく気になることや知りたいことをガンガン質問することが大切です。

気になっている職場に直接聞いてもいいですし、転職サイトのコンサルタントに聞いても問題ありません。

ポイント!
働きやすい職場を見つけるには、離職率を調べてみるのもオススメです。離職率が高ければそこの職場には何かしら長く働くには向いていない理由があることになります。「離職率なんてぶっちゃけた質問はしづらい」と感じる場合は、コンサルタントに代わりに聞いてもらうのもよいですよ。

できれば面接や選考・就業の前に、職場見学をしよう

どれほど制度が充実していても、職場の環境が悪ければツラいものです。可能な限り、就業前に職場見学をさせてもらうようにしましょう。

職場見学が難しい場合には、患者さんのフリをして職場の様子を見に行くことがオススメです。

チェックするポイントは、次のとおりです。

  • 薬剤師の人数やシフトにムリはないか
  • スタッフ同士の関係性はどうか
  • パワハラ・セクハラが起こっていないか
  • 職場の雰囲気は悪くないか
  • スタッフが生き生きと仕事をしているか

もちろん、一度の見学ですべてを見極めることは難しいわけですが、「何かおかしいな?」と違和感を受けたら、要注意です。

採用担当者やエージェントを介して、実際の状況を確認するようにしましょう。

転職活動は期限を決めて行うべし

今の職場に不満があり、転職活動を行うときには、期限を決めることが重要です。

少しでもいい求人を探したいという気持ちはわかりますが、だらだらと冗長に活動することは、かえって失敗のもと。

転職エージェントも、いつまでたっても転職をしない薬剤師さんは登録だけの方だと判断してしまい、いい条件の求人をまわしてくれなくなってしまいます。 ※これは事実!

多くの薬剤師さんは転職活動開始から1~2ヶ月で転職を決めているので、遅くとも2ヶ月を目安に期限を設定しましょう。

薬局薬剤師

2ヶ月以内に転職活動を終わらせるという強い気持ちが、転職を成功に導きます。いつまでもブラックな環境にいても自分を追い詰めるだけですからね…。一刻も早く逃げ出しましょう。

専門の転職エージェントの力を借りよう

転職活動を行う際には、どのような方法で求人情報を集めますか?

「貼り紙を見て直接応募する」「インターネットでひとつひとつ検索する」「ハローワークで相談する」など、さまざまな方法がありますね。

しかし、気持ちよく働けるホワイトな職場は人気が高く、これらの方法で見つけることはきわめて困難で非効率的です。

そんなときは、専門の転職エージェントの力を借りるようにしましょう。

転職エージェントは、人気の高いホワイトな職場をしっかりと押さえているので、希望に応じて適切な職場を紹介してくれます。

転職サイトごとに取り扱っている求人は異なるので、複数の転職サイトに登録して、希望の職場を探すことがオススメです。中でも有名な大手は必ず1社以上登録することをオススメします。交渉力や情報量が段違いです。

メディカル系転職の王者といえばエムスリー社の薬キャリでしょう。

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まとめ

薬剤師が気持ちよく働ける職場
薬剤師が気持ちよく働ける職場について、ご紹介していきました。

医療従事者は「患者ありき」の仕事が中心となるため、どうしてもブラックな労働環境に陥ってしまいがちです。

患者さんが待っているのに、全員が定時で帰宅するというわけにはいきませんよね。

大切なのは、経営側が薬局の状況を理解して、お互いが納得できるような職場づくりを行っているかどうかです。

ここでの内容を参考にして、気持ちよく働けるホワイトな職場を見つけてくださいね!

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