「転職を考えているんだけど初めてだから不安」
「何度も転職したくないから、できれば1回の転職で成功させたい」
初めての転職だと不安なことがたくさんありますよね。薬剤師は転職がしやすい職業と言われていますが、だからと言って無闇に転職を繰り返すのは経歴に傷をつけかねません。
そうは言っても、合わない職場にずっといるのはツライものです。
この記事では、転職に不安を抱えている薬剤師のために初めて転職する薬剤師の方へ向けて注意点やアドバイスを、実際に転職した薬剤師の実体験を元にまとめています。
薬局薬剤師
この記事の目次
退職の流れを押さえておく
初めての転職だと、どのタイミングで転職サイトを使うべきなのか、働きながら転職先を探すのと退職してから探すのはどちらが良いのかなど、迷ってしまうことがたくさんあるかと思います。
まずは基本的な流れや、転職先を探すタイミングについてチェックしておきましょう。
転職の流れ
状況によって前後する部分もありますが、次のような流れで転職活動は進んでいきます。
こちらの流れは、在職中に転職先を探す場合の流れとなります。
転職先を探すことも大切ですが、今の職場をいつ辞めるかについても考えておかなければなりません。まだ上司に辞めたいと言っていないのであれば、できるだけ早めに伝えておきましょう。
職場の状況や上司の考えによっては、すぐに辞められないことも少なくありません。
「人がいないからもう少し待ってほしい」
「キリよく年末までいてくれないかな」
など、何かと理由をつけて退職を先延ばしにされてしまいます。どうしても辞められない場合は、先に転職先を見つけてしまうのもありですが、円滑な退職のためにもいつ辞められるのか目安を明確にしておきましょう。
在職中に転職先を見つける
私の周りの薬剤師を見ていると、ほとんどの方は在職中に転職先を見つけています。在職中に探すと、仕事が途切れる期間を最小限に抑えられることが最大のメリットです。
薬剤師のキャリアに空白期間ができないため、履歴書の見栄えも良くなるでしょう。
しかし急いで転職先を探すあまり、十分に求人を吟味できなかったり、急速を取る間もなく働き始めるため精神的に疲れてしまうなどもデメリットもあります。
薬局薬剤師
退職してから転職先を見つける
退職後にゆっくりと転職先を探す方法もあります。
仕事をしていない状態で転職活動をするので、コンサルタントとの連絡もいつでもできますし、面接の日程組みで時間が合わずに困ることもありません。時間に余裕があるので、慌てることなくしっかり求人を比較できるのもメリットです。
ただし、いくらか貯金がないと生活費がなくなるため、お金に余裕がないと少し厳しいかもしれません。
職歴に空白の期間ができるため、面接のときに「仕事をしていないこの期間は何をしていたの?」と聞かれてしまうこともあるでしょう。
薬局薬剤師
詳しく薬剤師のアルバイト、平均時給は○○円!時給が高い求人の特徴とは?ドラッグストアは土日・夜間出れる有資格大学院生に人気のバイト
転職しやすい薬剤師だからこそブラックな職場に注意
1人に対していくつの求人があるかを表す求人倍率というものがあります。薬剤師の求人倍率がどれくらいかご存知でしょうか。
令和2年に厚生労働省が公表しているデータによりますと、医師、薬剤師などの求人倍率は3.81倍となっています。
参考: 職業別一般職業紹介状況[実数](常用(除パート))
これは1人に対して3.81個の求人があるということです。医師なども含めた数字にはなっていますが、多くの求人が存在することに変わりありません。「薬剤師は転職しやすい」と言われるのは数字からも明らかです。
参考:【薬剤師の転職動向アンケート】78%の薬剤師が転職経験者!
実際に薬剤師の78%が「転職経験がある」と答えているデータもあります。転職経験のない薬剤師の方が珍しいのです。しかし転職しやすいからこそ、安易な転職に気をつけなければなりません。
よく考えずに転職をした結果、「こんなはずじゃかった…」と失敗してしまうこともあります。
薬局薬剤師
薬剤師にとってホワイトで楽な職場とは?職場環境・勤務形態・雇用条件・福利厚生など、実際に多くの職場を見てきた薬剤師が考えてみた
【体験談】転職に失敗した薬剤師の話
ここで筆者の知り合いである男性薬剤師の話をしましょう。こちらの男性はドラッグストアの調剤併設店から調剤薬局へ転職しました。
一見すると成功したかのように見えたこの薬剤師の転職は、転職してから時間が経つにつれて「こんなはずじゃかった」という気持ちが浮き彫りになっていきました。
紙薬歴がストレスに
転職先は、電子薬歴の導入予定はあるものの、まだ紙薬歴をメインで使っている薬局でした。前職では電子薬歴だったため、紙薬歴の扱いは初めてです。電子薬歴に慣れていると紙薬歴は扱いにくくて仕方ありません。
- 服薬指導をしながら薬歴の記入ができない
- パソコンで入力するのと比べると書くのに時間がかかる
- 薬歴を探すのに時間がかかる
電子薬歴なら患者さんと会話しながらでもささっと記録できますよね。目的の薬歴を探すのも検索バーに名前を入力するだけですし、キーボード操作に慣れていれば記載の時間もそこまでかかりません。
紙薬歴の大変さを知らなかったために、思わぬストレスが生じてしまいました。
飲み会やボランティアで休日を潰される
この調剤薬局は1週間に休みが1日、半休が2日といったシフトになっています。丸1日休めるのは実質1日しかないのです。
この貴重な休日に社内の飲み会や強制参加のボランティアが入ってくるため、なかなか体を休められません。「会社のためにここまで休日を潰されるとは思っていなかった」と今現在も後悔を背負いながら仕事をしています。
職場の人間関係が気まずい
配属された店舗は、お世辞にも人間関係がよい職場ではありませんでした。絵に描いたような「薬剤師VS調剤事務」の図式が成り立っており、微妙にバチバチした空気が流れています。
他のスタッフが全員女性だったこともあり、この男性薬剤師は板挟み状態になり気まずい思いをすることが多々あるそうです。
薬剤師が転職するデメリット
転職する理由は人それぞれでしょう。今の職場が嫌だから、もっと勉強したいから。理由はいろいろあるかと思います。
転職をしたいと考えている方を止めることはしませんが、転職はメリットだけでなくデメリットもあることを頭の片隅にでも入れておきましょう。
転職は失敗することもある
上でもお話をしたように、転職には失敗のリスクがあります。転職先の職場についてリサーチが不十分だと、「転職前の職場の方がよかった…」と、最悪の事態も起こりうるでしょう。
せっかく転職したのに、また転職するはめになるかもしれません。知り合いの薬剤師には35歳にして転職を7回も繰り返した方がいます。転職すれば理想の職場で働けると甘い気持ちでするのは止めましょう。
業務内容を1から覚え直し
前職でどれだけバリバリ働いていた方でも、新しい職場では大げさに言えば新人と同じです。知らないことだらけの職場に飛び込むのは、思っているよりもストレスがかかります。
職場によってルールがあるため、「前の職場ではこうやっていたのに」と思っても、今の職場に合わせるしかありません。
「使えない」と言われたくない!新人薬剤師のあるべき姿勢とコミュニケーション・ステップアップに必要なこと。ミスが多くて辛い時期をどう乗り越えるか?
逃げグセがついてしまう
むしろ逃げたほうがよい職場もありますが、「嫌なことが合ったから転職しよう」と、すぐに解決策として転職を利用してしまうと、逃げるのが当たり前になってしまうかもしれません。
キャリアアップや勉強などを目的とするのではなく逃げるために転職をすると、どうしても職場の嫌なところばかり目についてしまうものです。
薬剤師辛いあるある!職場ごとに特有のストレス・辞めたいと思う瞬間をまとめてみました。アナタの「ツラい」を、少しでも受け止めます…
初めての転職で失敗しないための7つのアドバイス・注意点
100%成功する転職などありません。しかし成功率をできるだけ100%に近づけることはできます。そのために行いたい注意点やアドバイスを紹介しますので、参考にしてみてください。
求人サイトの情報だけを鵜呑みにしない
求人サイトには基本的によいことしか書かれていません。人材を確保するために会社のよいところをアピールするのは自然なことでしょう。
そのため求人サイトだけの情報では、職場の悪いところがマスキングされてわからないのです。転職活動中はついつい求人情報のみを鵜呑みにしがちですが、どこの職場にも悪い点があると心得ておくべきでしょう。
疑問点は納得するまで聞く
悪い点を明確にするためには、とにかく疑問点は遠慮せずに尋ねることが大切です。とくに以下の項目はできるだけ応募前に確認しておきましょう。
- 残業時間
- 職場の雰囲気・人間関係
- 店舗異動
- 社内イベントの有無
- 社員の勤続年数
店舗異動がある場合は、最大で自宅から片道何分のところへ異動になる可能性があるのかも聞いておきます。異動によって通勤時間が30分→1時間半と大幅に伸びてしまうこともあるので注意です。
社員の勤続年数も大事ですね。2~3年の方が多ければ、薬剤師が定着しにくい理由が何かあると考えられます。
できるだけ多くの求人を見比べる
初めて転職する方がやってしまいがちなのが、気にいった求人が1つでも見つかると、その求人以外に目が行かなくなることです。
転職を考えている=今の職場に何かしら不満がある方が多いでしょう。そのような状況で求人を見ると、どれも現職よりよい求人に見えてしまいます。するとよく求人を見比べることもなく直感に近い形で決めてしまうことになるのです。
このようによく見比べずに決めてしまうと、実は残業代込みの年収だったり休日日数が少なかったりなどの問題が後から見つかってしまいます。
薬局薬剤師
年収だけでなく休日日数も確認する
どうせ転職するなら年収の高いところへ行きたいと考える方は多いと思います。しかし年収ばかりを見て転職すると、思わぬ罠にハマってしまうので注意してください。
必ず年収と一緒に年間の休日日数も確認しましょう。同じ会社なのに地域によってなぜ年収が違う求人が出ていることがあります。よく見てみると、休日日数が違うため年収も違ったんですね。
一方の求人は年間休日が約125日であるのに対し、もう一方は105日しかありませんでした。これで年収の差は約30万円です。
30万円のために休日を20日犠牲にするかは個人の自由となりますが、年収だけ見ていると驚くほど休日日数が少ない求人もあるので気をつけましょう。
転職で叶えたい条件を明確にする
なぜ転職したいと考え始めるようになったのでしょう。今の職場でダメな部分は何なのでしょう。理由をできるだけ多く考えてみてください。一つひとつ紙に書き出してみるといいかもしれませんね。
書き出した理由をすべて解決できる職場があなたに合った転職先です。初めて転職する方は転職理由が明らかでないこともあるので、どんなに細かいものでも必ず理由をあぶり出してください。
理由もなく転職すると、「ここが前の職場と比べてよくなった」と比較ができないので、転職への満足度が低くなりやすい傾向にあります。
転職先でやりたいことを決めておく
転職には「逃げの転職」と「ステップアップのための転職」があります。できるだけステップアップのための転職を目指しましょう。
- 他の科目も学びたい
- OTC医薬品にも触れたい
- 認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取りたい
1つでもいいので、転職先でチャレンジしたいことを決めておきます。何か目標があれば転職先でも目標に向かって走れますし、「目標を達成するために転職するんだ」と気持ちも前向きになれるでしょう。
履歴書や面接が不安なら対策してもらう
初めての転職となると、とくに不安なのが面接ではないでしょうか。面接ではどのようなことを聞かれるのか、どう受け答えするのがよいのか、わからないことばかりです。
履歴書もめったに書くものではないので、書き方も迷ってしまいますよね。履歴書や面接は自分一人で対策するには限界がありますので、不安な方は第三者に対策してもらいましょう。
転職サイトを上手に活用しよう
「求人先に自分でいろいろと聞くのは気まずい」
「職場の雰囲気なんてどうやったらわかるの?」
「履歴書や面接の対策なんて誰に頼めばいいの?」
知りたくても自分では聞きにくいことってありますよね。職場の雰囲気も求人先に聞いたところでよいことしか言われない可能性もあります。履歴書や面接対策も誰に頼んだらよいのか迷ってしまうでしょう。
そこでぜひ活用してほしいのが転職サイトです。転職サイトは求人を紹介してくれるだけでなく、転職に関わるあらゆるサポートをしてくれるのが特徴となります。
- 条件に合う求人を紹介してくれる
- 年収や勤務日数などの交渉をしてもらえる
- 面接日程や入社日の調整をしてもらえる
- 履歴書の添削や面接対策も任せられる
- 実際に求人先へ足を運んで、職場の雰囲気を調べてくれる
このように、転職サイトに登録するだけでさまざまなサポートを受けられるのです。
求人先に聞きたいことがあれば代わりに聞いてくれますし、実際に求人先に足を運んでわかったリアルな職場の雰囲気も教えてもらえます。
担当のコンサルタントが履歴書の添削や面接対策もしてくれますので、万全の状態で転職活動に挑めますよ。
まずはこの3社に登録すれば、情報量は十分です!
登録後は、自分の働き方や悩みを理解してくれて、必要な情報を与えてくれるエージェント・担当者を探しましょう^^
※無資格者の方はご登録いただけませんおすすめ薬剤師転職サイトおすすめの16社を徹底比較【最新ランキング】
まとめ
なんとなく転職してしまっては、転職が失敗に終わってしまうリスクが高まります。
転職する理由を明確にしたり、求人情報を鵜呑みにせず、気になることはどんどん質問したりすることが大切です。初めての転職は不安なことも多いでしょうから、ぜひ転職サイトを味方につけて活動しましょう。
転職のプロと一緒に新しい職場を探すことで、安心して転職活動を進められます。
薬局薬剤師
【失敗しない】薬剤師転職サイトの選び方や比較方法、基礎知識を徹底的におさらい!大手・口コミ・実績、何を信じればいいの~!!【決定版】